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第180話 新しい防具


「おう、ヒゲダルマか」


「こんにちは鉄森さん。いきなり来てしまってすみません」


 タヌ金さんとWAKABAさんと一緒に昼食を食べたあとは2人を駅まで送った。


 そのあとは鉄森さんのいるダンジョン用の武器と防具を販売しているお店へとやってきた。相変わらず鉄森さんのお店は人気があってお客さんが多いので予約はしてあるが、昨日の夜にいきなり連絡してしまった。ありがたいことに調整をして時間を作ってくれたのだ。


「なに、気にするな。正直に言うとヒゲダルマの依頼を受けている時が一番楽しいまであるからな」


「そう言ってくれると助かるよ。この前教えてもらった属性付与の件も本当にありがとう」


「あれだけ短期間で付与に成功したのは紛れもなくヒゲダルマの実力であろう。それに俺もあれだけ珍しい素材をもらってしまって、かえって悪いくらいだ」


「喜んでもらえてなによりだ」


 鉄森さんには魔石による属性付与の加工方法を教えてもらったお礼に深い階層のモンスターの素材を渡した。鉄森さんは報酬は必要ないと言ってくれたのだが、さすがに1週間もお世話になって無報酬なんてことは考えられなかった。


 こういった技術には相応の報酬は渡すものである。鉄森さんらしいというべきか、お金よりもモンスターの素材がいいということなので、そちらを渡したのだ。


「それで、今日はなんの用だ? 武器の属性付与について何かあったか?」


「いや、そっちの方は一通り目途がついていて、あとは俺の練度を上げていくだけかな。今回は防具を作る相談をしにきたんだ」


「ふむ、防具か。以前に見せてもらった防具でも十分な強度があったと思うがな」


 以前に俺のメイン武器である白牙一文字だけでなく、現在使っている防具も見せたことがある。


 俺が普段使っている防具は深い階層のモンスターの素材を使用しているので、強度はかなりのものだ。


「今回はダンジョンの()で使えるような防具を作ってみたいんだ。具体的に言うと、衝撃にも強くて銃火器なんかを防げ、なおかつ軽い防具が必須の条件かな」


「ダンジョンの外? まあ、ヒゲダルマは配信でもだいぶ目立っているようだし、そういった備えも必要といえば必要なのか」


 「……ああ、いろいろと備えておきたいんだ」


 実際にはもしかしたら例の犯罪組織と戦闘になる可能性もあるので、その備えである。それに最近はダンジョンの外で行動することも多い。素材はいろいろあるし、備えておいて損はないだろう。


 俺が自分で作った防具は衝撃には強いのだが、それはダンジョン内でモンスターを倒して得た肉体の力と強さがあってこそだ。頑丈なモンスターの素材ほど重量もあるので、俺が今使っている防具をすべて装備するとダンジョンの外ではほとんど動けなくなってしまう。


「ふむ、いいだろう。ヒゲダルマが使うモンスターの素材には興味があるからな。確かそういった依頼で作った防具のサンプルがあるはずだ。ちょっと待っていてくれ」


「はい」


 対モンスターと対人では防具の仕組みがまったく異なる。俺はモンスターに対する防具については多少の知識はあるが、対人用の防具の知識はあまりないので、鉄森さんに教えてもらいたい。


 華奈と瑠奈から聞いた話によると、鉄森さんはダンジョン防衛隊の防具なども依頼されたことがあるらしい。


「こっちのやつはアーマードレイクの重鱗をメインに使った防具だな。内側にはジェリースライムの素材を使用しているから、銃弾どころかライフルでも通さない代物だ。こういった防具ということだろう?」


「おお、まさにそんな防具がほしかったんだ。なるほど、物理に耐性のあるスライムの素材を使って衝撃を吸収するのか」


 さすが鉄森さん。俺が必要な種類の防具をすぐに察してくれた。


 ダンジョンの外の場合はただ硬いだけではなく、衝撃を吸収する仕組みも必要だ。たとえば防弾チョッキなどは弾丸は通さないが、その衝撃は伝わってしまう。俺が使用しているモンスターの素材は間違いなく弾丸や日本刀を通さないが、衝撃でダメージを受けてしまう可能性がある。


 なにせダンジョンの外では肉体の強化がされないからな。相手もマジックアイテムを使ってくる可能性もあるし、現代兵器、斬撃、衝撃、熱や電撃などあらゆる攻撃に対応できるようにしておきたい。


「軽くて丈夫で使えそうな素材をいろいろと持ってきたから、相談にのってくれると助かります。もちろん報酬はしっかりと素材で払いますので」


「おお、そいつはありがたい! 面白そうだし、当然この依頼は受けるぞ!」


「ありがとうございます」


 どうやら依頼を受けてもらえるようだ。


 最近はダンジョンの外に出ることも増えてきたことだし、いろいろと準備をしておくとしよう。


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