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第177話 害悪


ヒゲダルマ:

……なるほど。確かにその可能性もあるな。


月面騎士:

確かに! そもそもダンジョン協会が把握していないマジックアイテムを持っている時点でいろいろと怪しい団体だよな。

 

WAKABA:

言われみるとそうかも。普通のダンジョン探索者なら今までに見つかっていないマジックアイテムが出たらダンジョン協会に渡すわね。それをしない探索者や団体がそんなにいくつもあるとは考えにくいわ。


 新しいマジックアイテムを発見した際にダンジョン協会へ提出するのは義務とはなっていないが、一定以上の階層で代償効果のあるマジックアイテムが発見された以降はみんなダンジョン協会へ報告するようになった。


 稀に一部のダンジョン配信者が配信で新規のマジックアイテムを使ってリスナーを集めるという手法があるくらいだ。ちなみに俺が自暴自棄になってダンジョン攻略をしていたころは誰も信じてなかったし、無断でダンジョンにずっと住んでいたこともあって提出しなかった。


†通りすがりのキャンパー†:

ダンジョンが現れてから、マジックアイテムを悪用する犯罪者集団も増えたが、それに対抗するためダンジョン防衛隊もできたことだし、それほど大規模な犯罪者集団がいくつもあるわけじゃないからな。同じ犯罪者集団の可能性は高そうだ。


ヒゲダルマ:

その犯罪者集団と虹野は繋がっていたってことか? 他にも誘引の蜜なんかの禁止マジックアイテムを持っていたことだしな。


†通りすがりのキャンパー†:

間に誰かが入っていたかもしれないが、繋がっている可能性は高いかもしれない。


 大宮ダンジョンに入れないはずの虹野がなぜかダンジョンへ入れて華奈と瑠奈を襲ってきたり、禁止マジックアイテムを所持していた。何者かの協力や関与があったと考えるのが妥当だろう。


ヒゲダルマ:

……一度ならず二度もか。さすがに俺も不快だ。


WAKABA:

タヌ金さんの友人の家族が被害に遭ったというのはさすがに偶然だと思うけれどね。


月面騎士:

虹野に協力した件も証拠なんかは残してないだろうなあ。


 WAKABAさんの言う通り、すずさんの家族が被害に遭ったのはさすがに偶然だろう。もしも虹野の件で俺を恨んでいて、六本木モールで俺がタヌ金さんと関わりのあることがバレているとしたら、タヌ金さんかあるいはその家族を狙っていただろう。


 ただ、それでも俺の周囲で二度も害を与えられるとムカついてくる。


ヒゲダルマ:

とりあえず、そっちのほうはダンジョン協会からの報告を待つとしよう。WAKABAさん、すまないが明日はよろしく頼む。念のため俺もいろんな回復効果のあるマジックアイテムを持って病院の近くに待機しているから、何かあったらすぐに連絡をくれ。


WAKABA:

了解。なにかあったらよろしくね、ヒゲダルマさん。


 少なくとも犯罪者グループに関しては百武の情報を待ちつつ、どうするかをもう一度みんなに相談してからだ。それよりもまずはすずさんの母親を天使の涙で治療することが優先される。


 すでにWAKABAさんにはタヌ金さんと連絡をしてもらって、医療関係者としてすずさんの家族と連絡を取ってもらった。明日一緒に入院している病院を訪れて、天使の涙で治療をしてもらう。


 DQN配信者で天使の涙の効果があることは確認できているが、それでも念のために俺も病院の近くで待機して、何かあれば効果のありそうなハイポーションや解毒効果のあるマジックアイテムを使うつもりだ。


 月面騎士さんの母親の時のようにそれらを使うことがないことを祈ろう。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「それじゃあ、すずさんの母親が無事に回復したことを祝って乾杯!」


「「乾杯!」」


 そして翌日。


 いろいろと心配はしていたが、タヌ金さんとWAKABAさんで病院へ行き、無事に友人の母親を天使の涙で治療することができた。一度治療が上手くいっていると分かっていても、タヌ金さんから連絡が来た時はほっとしたものだ。


 WAKABAさんから聞いた話では医師の人たちは一瞬で治り、依存性も消えていたことにとても驚いていたらしい。検査もあるため今日は退院できないそうだが、すでに身体に異常がないことが確認でき、明日には退院できるそうだ。


 原料がマジックアイテムであることと、そのグリーンパウダーが医療関係者に渡されたので、治療薬の開発が進められそうなこともWAKABAさんにこっそりと伝えてもらった。タヌ金さんも友人のすずさんがとても喜んで感謝していたと教えてくれた。


 そして治療がうまくいったお祝いとしてタヌ金さんとWAKABAさんと一緒に料亭へ来ている。


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