第160話 久しぶりの我が家
※書籍化に伴いリスナーさんのコメント方法が変わりましたので、よろしくお願いします!
「いやあ~やっぱり久しぶりの我が家はいいなあ」
†通りすがりのキャンパー†:ギリギリグレーゾーンの家だけれどなw
たんたんタヌキの金:不法滞在とまではいかないが、ダンジョン内に無断で滞在しているわけだしw
「まあ、細かいことはいいんだよ」
那月さんたちの依頼も終わり、久しぶりに大宮ダンジョンの81階層にある我が家へと帰ってきた。昨日は畑の様子を見ただけで、配信もせずにのんびりと過ごしていた。
ダンジョン内のセーフエリアに泊まることはこれまでに何度もあったが、やはり現在住んでいる場所で寝るのとでは安心感が違う。昨日はぐっすりと眠れた。こっそりとダンジョン内で暮らしていることは突っ込んではいけない。
「さて、午後からは華奈と瑠奈とまた会う約束をしているから、それまでは横浜ダンジョンで手に入れたモンスターの食材を確認したり、那月さん達から報酬としてもらったマジックアイテムを確認してみたりするか」
午前中はのんびりと過ごし、午後からはいつもの二人と会う予定だ。通常だと二人のダンジョン探索に付き合ってからの流れだが、さすがにまだ大宮ダンジョンに戻ってから2日目で午前中はゆっくりとしたいこともあって、今日は午後からにしてもらった。
XYZ:さすがトップ探索者だけあって、いろんなマジックアイテムを持っていたよなあ。
ルートビア:売ったらあれだけでひと財産ができるレベルのものが多かったね。でもヒゲダルマはその中でも微妙なマジックアイテムばかり選んでいたよね。
たんたんタヌキの金:ハイポーションとかはすでにある程度持っているからだと思うぞ。それよりも持っていなくて、ダンジョンの外でもあんまり売っていない物を選んだんだろうな。
「ああ、タヌ金さんの言う通りだ。手に入るマジックアイテムよりも微妙な効果で珍しいマジックアイテムを選んだつもりだ。一見使えなさそうなマジックアイテムでも、他のマジックアイテムと組み合わせたりすれば意外な使い方ができることもあるぞ」
マジックアイテムの中にはハイポーションのようにかなりの価値と需要がある物もあれば、何に使うのかわからない微妙な効果を持つ物もある。だが、そんなマジックアイテムも組み合わせ次第でとんでもない効果を発揮することがあるから面白い。
大宮ダンジョンの宝箱からは出現せず、市場でも手に入りにくく、那月さんたちがあまり使わなそうなマジックアイテムを優先して報酬としてもらった。あとで他のマジックアイテムとの組み合わせを試したり、意外な使い方がないか試してみるとしよう。
ケチャラー:それにしても、この前のマンガ肉はめちゃくちゃうまそうだった!
たんたんタヌキの金:それな! 味も気になるけれど、あんなに大きな肉にかぶりつくというのが羨ましい!
「あの後にもっと大きな肉の塊が出てきたからびっくりしたよね」
「さすがにあのサイズの肉は中までちゃんと加熱しないといけないから、ちゃんと切り分けたけれどな」
そして午後。いつものセーフエリアで華奈と瑠奈と合流して、のんびりと過ごしている。話題になったのは先日の那月さんたちとの打ち上げの話だ。タイタンエレファントのマンガ肉や大きめに切り分けた肉を楽しんだ。
結局それ以外の素材はすべて那月さんたちに渡したが、残りの肉は料理をしないということでいただいてしまったからな。熟成させたり、もっと柔らかくする工夫を試してみるとしよう。
「私たちも早くあれほどのモンスターでも倒せるようになりたいですね」
「あの辺りの階層ではかなり強いモンスターだったと思うぞ。俺がもし横浜ダンジョンを攻略していたとしたら、あの面倒な雪山階層と合わせて相当苦労したかもな」
ルートビア:あれだけヤバい階層も珍しい……。ダンジョンの中で吹雪とか、もしもあの階層を作った神様とかがいるとしたら、絶対に性格終わっているよね!
†通りすがりのキャンパー†:寒さに加えて視界の悪さと足場の悪さも加わるからな。大宮ダンジョンにあんな階層がなくてよかったと思うぞ。
XYZ:やはり50階層を超えるとガチで人を殺しにかかってきているよなあ。タイタンエレファントも那月さんたちだから倒せたけれど、普通の探索者だったら勝てなかったと思うぞ。まあ、動きはそこまで速くはなさそうだったから、逃げることはできたと思うけれどな。
「そうだね、僕たちだと敵わなかったと思う。あの分厚い毛皮には相当な武器じゃないとダメージを与えることができなかった気はするよ」
「ええ。それに火の属性付きの武器がすごかったですね。周囲の雪を溶かして足場を確保していましたし、あの分厚い体毛も燃やすことができていました」
「ああ。確かにあれはすごかったな。属性付きの武器についてもう一度詳しく教えてもらってもいいか?」