表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

136/182

第136話 燻製ポテトサラダ


「こっちの燻製したジャガイモで作ったポテトサラダもおいしいね」


「燻製したジャガイモでポテトサラダを作るとこんな味になるんですね」


「なかなかいけるだろ。一緒に使った煮卵とマヨネーズも燻製しているから、よりスモーキーな味になるんだよ」


 燻製ジャガイモのポテトサラダも作り方はシンプルだ。茹でたジャガイモと煮卵を燻製して混ぜるだけだ。


 ジャガイモの方はあまり燻製しすぎるとパサパサになってしまうので、肉とは違って数十分くらいで燻製器から取り出す。燻製をする際にポテトサラダと混ぜる用のマヨネーズも一緒に燻製しておくと、さらにスモーキーなポテトサラダになるぞ。


 なんなら、たくわんを燻製して刻んで入れたり、いぶりがっこというすでに燻製した漬物をいれてもおいしいのだが、少し好き嫌いの分かれるところだから今回はやめておいた。


「うわ~燻製たまごもトロトロだね!」


「本当にちょうどいい半熟具合ですね」


 燻製たまごはやはり難易度が上がるけれど半熟の方がうまいよな。普通のたまごと違って、モンスターのたまごによってちょうど良い茹で時間が異なるから、最初は苦労するんだよ。


"燻製のポテトサラダは本当にうまそうだ。作るのがちょっとハードル高そうだけれど食べてみたい! @†通りすがりのキャンパー†"

"たまごも本当においしそうだな~配信だと匂いまでは分からないから助かったw @ルートビア"

"確かにこれで燻製の良い香りまでは来たら飯テロに完全に屈してしまうところだった。でも飯の画だけでも見ているだけでお腹が空いてくる…… @月面騎士"

"本当においしそうだね。どれもお酒が進みそうだよ…… @夜桜"


 リスナーのみんなからも続々とコメントが寄せられてきている。


 確かに燻製の良さは香りだから、それを配信で伝えられないのは少し残念だ。夜桜のやつには今度店に行く時、今日出した燻製料理も持っていってあげるとしよう。




「はあ~お腹いっぱいだよ!」


「うう……また食べ過ぎてしまいました。せっかく最近は頑張って少し痩せたのに……」


"バーベキューの方もバチクソうまそうだったな。 @たんたんタヌキの金"

"ブラッディベアの肉ってあんなに赤々としているんだな。ブラッディは鮮血って意味だからそういうことか。それにロースやハラミやヒレみたいな部位によって味が違ってうまそうだ。 @ケチャラー"

"焼き肉のタレもスーパーで売っている高級なやつだもんなあ。 @XYZ"

"これは食べ過ぎちゃうやつだよね~ @WAKABA"


「満足してくれたようでなによりだよ。焼き肉のタレもいろいろと自分で作ってみたんだが、これだけは市販のものを超えられなくてな。材料の方はこっちの方が良い物を使っているはずなんだけれど、香辛料なんかの割合が絶妙なんだよ」


 使っている焼き肉のタレは市販のもので高級なものをいくつか夜桜に頼んで買ってきてもらっている。


 何度か自家製の焼き肉のタレを作って試してみたのだが、市販の焼き肉のタレの方がおいしかった。


"そりゃどんなに素材が良くても、向こうは長年の企業努力で培ってきたノウハウがあるからな。調味料や香辛料のバランスや組み合わせなんかは大企業の方が上だろ。 @†通りすがりのキャンパー†"

"なるほど、素材だけが良くても駄目ということなんだ。 @ルートビア"


 そう、キャンパーさんやルートビアさんの言う通り、たとえこちらが最高級の素材を用意したとしても他の素材や調味料と香辛料のバランスもあって、それだけでは最高の焼き肉のタレにはならないのだ。


 むしろひとつの突出した良い素材が他の味をすべてぶち壊してしまうこともある。普通の料理を作るのとは異なって、焼き肉のタレを作りあげるのはなかなか奥が深かった。


「へえ~そんなに難しいんだね」


「私も焼き肉のタレを自作したことはないです。なるほど、今度試してみますね」


「ああ。俺もちょっと前からいろいろと試しているんだ。いずれは市販の焼き肉のタレも超えたいところだな」


 焼き肉のタレを研究していろいろとタレに合う素材を試してみたり、比率を調整して試している。


 こうやってうまくいかないことを色々と改良していくのも楽しい時間である。超える壁が大きいほど超えた時の嬉しさはあるからな。相手は強敵だが、素材はこちらの方が上の物を用意できるから、いずれは絶対に超えてみせる。


 まあ時間だけはたくさんあるからな。


「さて、あとはちょっとしたスイーツも用意しているから、少し休んだらぜひ味を見てくれ。お土産の分もあるからな」


「本当! やった~」


「スイーツ……もうちょっと運動しないと……」


 今回は俺の畑で育てたサツマイモを使ったスイートポテトを作ってみた。


 これまではあんまりスイーツを作ったことはなかったが、リスナーのみんなにいろいろと教えてもらって作ってみた。せっかく2人の40階層を突破したお祝いということだからな。


 ……華奈はちょっと微妙なところだが、まあ味については喜んでくれるだろう。たまにはこういう時間もいいものだな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【コミカライズ連載中!】
(画像クリックで作品ページへ飛びます)

2dw35xypkzhv3gl2hg7q35cee9fn_xk1_p0_b4_54rp.jpg


― 新着の感想 ―
たくわん....?
漬けダレならともかく、焼肉のタレは割りに合わない。 混ざっているものとかから近いものをと試したけどアレは無理。 企業努力と大量生産の賜物。これからもお世話になります...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ