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第131話 お祝い


"いや、だからってハイポーションやらマジックリフレクションやら、とんでもないマジックアイテムをフルで持たそうとするなよ…… @†通りすがりのキャンパー†"

"あれだけとんでもないマジックアイテムを使えば、下手をしたらマジックアイテムだけで40階層のボスモンスターを倒せるかもしれないもんね…… @ルートビア"

"本当に身内には甘々だね~ @WAKABA"


「念には念を入れておいた方がいいだろ……」


 いや、本当にダンジョン内は何が起こるか分からないから心配なんだよ。さすがに2人の公式配信をしているところに俺も一緒にボスモンスターへ挑むわけにはいかないからな。それにボスモンスターは自分たちの手で倒したいという2人の気持ちもわかる。


 ボスモンスターのゲートはひとつのグループが入ると他のグループは入れなくなり、俺が助けに行くこともできなくなるし、本当に何かあった時のためにいろいろ持たせておいた方が俺の方も安心できる。


「私たちを心配してくれてとっても嬉しかったですよ、ヒゲダルマさん!」


「うん! ありがとうね、ヒゲさん!」


「………………」


 嬉しそうに微笑む華奈と瑠奈。


 まあ、結局は俺が渡したマジックアイテムは一切使用せずに無事に40階層のボスモンスターであるオルトロスを倒せたからよかった。何度か様子見と撤退を繰り返した後に、大きな怪我をすることなくオルトロスを討伐できたと2人の配信を見ていたリスナーさんから教えてもらった。


 オルトロスは頭がふたつある比較的大きなモンスターだ。3つ頭のあるのがケルベロスだから、それより頭がひとつ少ないモンスターだと思えばいい。ブレスなどは吐かないが、鋭い牙と爪が厄介なモンスターだ。


"ヒゲダルマらしいといえばらしいかな。私も華奈ちゃんと瑠奈ちゃんのボス戦の配信を見たけれど、本当に強いんだね。立ち回りとかも他の探索者とは違っていたよ。 @夜桜"

"確かにヒゲダルマと出会った頃と比べると、かなり動きが良くなっていた気がする。ボス戦も初戦の情報収集から初めて何度か戦っただけで倒せていたからな。 @たんたんタヌキの金"

"それな。だいぶモンスターとの戦闘に慣れてきていたし、なんだか動きがヒゲダルマの戦闘に似てきた気がする。 @XYZ"


「そうだな、俺の動きに似ているかはともかく、最初の頃よりも強くなっているのは間違いないと思うぞ」


「本当! 僕たちも毎週ヒゲさんに鍛えてもらっているし、少しは強くなっているのかな!」


「少しずつですが、ヒゲダルマさんの動きを意識して動いてきた成果が出てきたのかもしれませんね。そう言っていただけて嬉しいです!」


 瑠奈も華奈も俺と探索している時にいろいろと質問をして来たり、熱心にダンジョン探索を続けてきた結果だろう。俺としても聞かれたことには答えていたが、なにぶん人に戦闘を教えた経験なんてなかったから、俺の教え方ではなく2人の実力だろう。


 2人とも真面目な性格をしていたし、すぐに強くなると思っていたが、ここまで早く強くなるとは予想できなかった。そういえば出会った時からダンジョン配信者として強い方だったもんな。


「ボスモンスターさえ倒せば多少は安心できるからな。とはいえ、普通の階層でも油断は厳禁だが」


 基本的に普通の階層に出現するモンスターよりも10階層ごとのボスモンスターの方が遥かに強い。もちろん入念な準備ができて、撤退も可能という点ではボスモンスターの方が良いが、それでも何らかのアクシデントが起こるのはボスモンスターの方が多くなる。


 ボスモンスターはとにかく攻撃力の高いモンスターが多いから、一撃が致命的なダメージつながることもある。


 とはいえ、モンスターの群れに遭遇したり、イレギュラーモンスターの発生のある普通の階層も十分に危険だ。とにかくダンジョンには危険がいっぱいなのだ。


「そういえば41階層の森林階層には珍しく川を含んだセーフゾーンがあったな。40階層突破のお祝いで川の横でバーベキューでもするか」


 ダンジョン内のセーフゾーンはいろいろな場所がある。この34階層のセーフゾーンのように何もないセーフゾーンもあれば、俺の家がある山肌を含んだセーフゾーンなんかもあったりする。


 41階層には川が範囲内にあるセーフゾーンがあったはずだ。川や湖なんかを範囲内に含むセーフゾーンは結構珍しい。


「そんな、むしろこちらがお礼をしなくちゃいけないのに悪いですよ」


「うん、40階層のボスモンスターを倒せたのもヒゲさんのおかげなんだし、僕たちにお礼させてよ!」


「まあお祝いとは言ったけれど、たまには川の横でバーベキューがしたいってだけだ。この前に那月さんたちとしたバーベキューはなかなか楽しかったからな」


 名目上はお祝いといったが、たまには誰かとバーベキューがしたかっただけである。普通の場所でするバーベキューもいいのだが、やはり川の横でするバーベキューは一味違うからな。


「確か41階層は少し暖かいくらいで、川のせせらぎを聞きながらご飯を食べたり横になって寝るのは結構気持ちいいんだよ」


"……ちょっと待て! セーフゾーンに川があるなら、水着になって水浴びもできるんじゃないのか! @†通りすがりのキャンパー†"


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