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喋らずに
楽しんで頂けたら幸いです!
1/20(火)、加筆修正しました。よろしくお願いします。
堀を軽く助走して跳び越え、鳥居の脇を通り抜ける。ここからはもう安全地帯ではない。都市に入るのだ。
その瞬間から柊月と依は口を閉ざした。
響はそんな2人の様子に気づき、「僕達がいるから大丈夫」と声をかけると勇一郎に目配せした。勇一郎も無言で頷く。
やがてたどり着いた駅のホームは、人でごった返しになっていた。同じ日本とは思えない、と柊月は心の中で呟く。
「……」
満員電車の中、柊月は周囲の会話に耳を傾ける。
「この後……でイベントがあって……」
「ご飯何にする?」
「待ち合わせしてから行こうか……」
なんてことない、ありふれた会話である。
それでも柊月は思う。
彼らもまた、口に出してはいけない言葉を避けながら生活しているのだろうか、と。
待ち合わせ場所の駅構内は、人でごった返していた。その混雑ぶりは、元の世界と何ら変わらない。
柊月は3人からはぐれないよう歩きつつ、目をせわしなく動かしていた。
そして、ふと視線がぶつかる。
「あっ」
思わず声が漏れた。
そのぶつかった視線の主は暁で、朝陽も隣にいる。
「おーい」
「ここだよ!」
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