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分岐した
楽しんで頂けたら幸いです。
「あの企業……元いた世界にもあったね」
柊月と依はそっと部屋の隅に寄った。
万が一のリスクを考え、周囲に聞こえないよう小声で囁き合う。
「確か、戦前にできた会社のはず」
「え、知ってるの?」
依の思いがけない返答に、柊月は目を丸くした。
「ふふ、まあね。……でもそもそも日本の企業って古い会社が多いらしいよ」
「へぇ……」
依の豆知識に柊月は思わず感心する。
「じゃあ、もしここがパラレルワールドだとしたら……」
「戦前、戦後あたりに分岐した世界線になるのかも」
もちろん、あくまで仮説の1つに過ぎない。
「あの提案、元の世界に戻る手掛かりにならないかな」
「そうだね……『都市』の企業、か……」
そう呟いた柊月の視線は遠くなる。
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