いずれの意見も
楽しんで頂けたら幸いです。
「土地が目的でないとしたら、狙いはこの地域の人口を減らすことか、あるいはこの企業の人員を増やすことではないでしょうか」
金銭目当てではないでしょうし、と響はそう推測した。そういえば、ここへ来てからはほとんどお金など見ていない、と柊月は思い出す。
「しかしここに大した人数はいないけど……」
その返答に対して、他の地域でもこのような話が来てないか探ってきます、と響は立ち上がる。
「しかしなぜ企業がわざわざこのようなことを?」
「立ち退きではなさそうね」
「この会社はあくまでメーカーだろ?管理するって言ってるけど、自然災害が起きたら自社の機械で立て直すってだけなら、わざわざ頼むほどとも思えねぇなぁ」
壮市はため息を吐きながらタバコを手に取る。
「確かに、それだけでこの里を維持できるとは思えないね」
「おそらく田んぼや畑の手入れとか、害獣対策までは行わないでしょう。この企業の社員さんが住むとも書いてないし」
もちろん、詳しいことは聞いてみないと分からないけど、と海莉は付け加える。
「被災後の修復は確かに大変だが、そもそも人が少ないから被害も限られるしな。企業さんに任せるとか、そういう問題じゃない。……ま、機械はどんなもんか気になるけど」
「いずれにせよ移り住むほどの話ではないな」
集まった者たちの意見は、いずれも企業の提案に否定的なものばかりだった。
柊月と依は部屋の隅に移動し、声を潜めて話し始める。
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