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境界  作者: 柿生透
79/99

「誰が」


更新が途絶えており申し訳ありません。


楽しんで頂けたら幸いです。



 声が聞こえた方向に、柊月含め数人が駆け寄る。どうやら隣の部屋からのようだった。


 障子を開いた瞬間、思わず誰かが息を呑んだ。



 「うわ…」



 部屋の中はまるで嵐が通り過ぎたように荒れていた。元々物置部屋として使われていたことが災いしたのか、衣類や棚の上にあった小物や書類などが床に散乱している。足の踏み場もない。先程の揺れで落ちてしまっていたのだ。


 「大した揺れではなかったのに、こんな…」


 柊月は足元をそっと確かめながら部屋の奥へ目をやった。

 

 「ここも古くてね…」


 慌てて後から駆けつけてきた荘市が棚の側面を軽く叩き、苦笑混じりに言う。その音は、思った以上に軽く、頼りない響きを返した。



 「この前少し片付けといたのに」


 新たな移住者の数人はぶつぶつと文句を言いながら肩を落とした。



 ざわつく空気の中、ひとりがふとぽつりと低く呟いた。


 「一体誰のせいで…」


 そう言ったのは、新たな移住者である1人の男性だった。柊月は思わず彼に目を遣る。彼の頬は怒りでカーッと赤くなっていた。



 誰って何?地震のせいでしょう?


 柊月は冷ややかな目を男性に向けた。



 「都会人ですな」


 背後でそんな言葉が聞こえてきた。



読んで頂いてありがとうございます!

感想等いつでもお待ちしてます!


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