邪魔
投稿遅れてしまい申し訳ないです!
楽しんで頂けたら幸いです!
里山体験に来た高校生と似たような特徴が、新しい移住者にも表れ始めた。
いやむしろ、より歳を重ねている後者の方が顕著である。
「何してるの?」
「土触ってる」
土いじりをしている子を柊月が後ろから見守っていると、1人の年配女性が話しかけてきた。
「土触ってどうするの」
「…」
柊月は無言で気まずそうに、女性に対してチラッと目を向けた。子供が何かしているときはむやみに話しかけないのがルールである。
ましてや、自分の疑問をただぶつけるだけの質問をするのはあまり褒められた行為ではない。
「んー…」
子があまり気にしていないのが幸いだ。
しかし、女性は尚も話し掛けてくる。
「そんなことしてないで、あっちで鬼ごっこに入れてもらったら?木登りとかもしてる子いるよ」
「ちょっと…!」
柊月は慌てて止めに入った。
しかし女性はまた、近くにいた他の子にも話し掛けていく。
「あなたも何してるの」
「水見てる」
「水なんか見て何なの。あっちでみんなと遊んだら?」
「えー…」
「あの…!」
女性の後を柊月は追いかけた。
「あなたは何してるの」
「え、蟻見てる…。よし、捕まえた」
「あら、蟻は噛まれると痛いのよ。放した方が良いわ」
「っ…」
子がビクッと手を震わせ蟻から手を離した。言ったそばから噛まれてしまったらしい。
「ほぉら、言わんこっちゃない」
少し得意げにそう言う女性に対して、柊月は軽く憤りを感じる。あー、もううるさい!と怒鳴りたくなった。
「あの、邪魔しちゃダメらしいんですけど…」
それでも怒りの感情を抑えながら柊月は恐る恐る言ったが、1人はチラッと一瞥して
「はぁ?邪魔してないけど」
とそっけなく返して意にも介さなかった。
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