64/99
見極め
楽しんで頂けたら幸いです。
そんな中境家に、ある1人の男性が訪ねてきた。
「すみません、里永…?里原?さんのお寺はこの先でしょうか」
「…何の用」
境が玄関に出て応対する。ぶっきらぼうな口調だった。
「突然すみません。私戸野と申します。実は息子が居なくなってしまって…誘拐か家出か分からないのですが」
「さぁ、知らんな」
「30代の女性も見掛けませんでしたか?実は私の妻も家から居なくなってしまって」
ほんとに心配で、とため息を吐きながら戸野は言った。
境はジロッと目の前の男に視線を送る。
「あんた、都市から来たの」
「はい、そうです」
「ふん…」
少し考える素振りを見せた後、境は言った。
「女子供は都市に合わないから、引き戻しにいくのはやめときな」
「はぁ…?何ですか、それ」
戸野は少し訝しげな声をあげた。
「家族揃って都市に暮らすことが、良いこととは限らないってことよ」
読んで頂いてありがとうございます!
感想等いつでもお待ちしてます!




