見送り
楽しんで頂けたら幸いです。
「…そうか」
父親は小声で言った。
「…すまなかった」
父親があっけなく謝罪したことに、清楓は逆に面食らってしまった。
「お母さんも…ごめんなさい」
母親も続いて2人は頭を下げる。
「実はね…お父さんと話してたんだけど、おばあちゃんの家に引っ越そうかって話してたの」
「え…?」
「清楓は里山体験のこと楽しそうに話してたけど、家に戻ってきてからは明らかに元気がなくなってたから」
田舎のおばあちゃん家の方が合っているんだと思ってと付け加えた。
「そこまで思い詰めさせてしまったとは思わなかった。…これからどうするか一緒に考えたい」
だからもう2度と急に居なくならないでくれ、と言った父親の声は震えていた。
清楓は驚いた表情をずっと浮かべていたが、やがてコクコク頷き、
「分かった…でも私何かあったらまたここに来るから」
と答えた。
「お寺さん、本当にお世話になりました…」
「いえいえ」
家族を見送りに玄関へ出る。
「また来てもいいですか…?」
恐る恐る清楓は問うた。
「もちろん。ここへ来るのに理由は要りませんよ」
お気をつけて、という言葉を背中に、家族は車に乗り込み走り去っていった。
「とりあえず一件落着…になるのかな」
見送った柊月と依に法円は言った。
「ご両親はあぁ仰っていましたが、子供は都市に慣れないものですよ」
清楓さんに限った話ではないのです、と言った。
その後も…。
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