症状
楽しんで頂けたら幸いです。
その後、同じような通報が警察に相次いだ。子供が帰ってこない、行方不明になった、連絡が取れない…など。小学生のみならず、中高生にも同様の事例が見られたという。
一体どうして…と保護者が頭を抱える中、警察が失踪した小中高生を調べてみると,決まって『交換授業』や『里山体験』に参加した生徒たちだったらしい。
また警察の管轄外ではあるが、家出せずとも近頃不登校になったり全く勉強しなくなった児童や生徒が増えたとのこと。
「何か因果関係が…?」
また、学校側も生徒達の様子に頭を捻っていた。授業中とにかくぼーっとしていたり、明らかに元気のない生徒が増えてきたのだ。状況を把握するために教師が話を聞き出していく。
彼らはこう答えた。
「都市に戻ってきてから、急にしんどくなった」
「窮屈で嫌。頭おかしくなる」
「なぜか圧迫感があって…」
「自分が宙ぶらりんになっていく気がする」
「人が作ったものばかりに囲まれて、辛い。息苦しい」
おそらくうつ病の一歩手前だろう。勉強など手につかないらしい。精神状態がおかしくなってきている。
おそらく、都市から逃げ出したり無気力になった生徒たちは気付いてしまったのだ。
都市が便利であるからこそ、自分の存在がどんどん崩れていくこと。
病的な理路整然さに囲まれると、自分が人間であることを忘れてしまうこと。
世界は人間同士のやり取りだけで成り立っているわけではないということ。
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