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境界  作者: 柿生透
50/99

聞き込み


楽しんで頂けたら幸いです。



 「息子が!息子の風馬(ふうま)が学校行ったきり帰ってこないんです!」


 友達の家にもいないって…!と息を切らしながら1人の女性が交番へ駆け込んできた。夜9時の出来事である。


 その女性は姿を消した子供の母親で、いつまで経っても家に帰ってこないと交番の警官に訴えていた。


 学校や友人の家に電話で息子がいないか聞いてみたが、望ましい返答は無かったらしい。


 警察は誘拐の可能性もあると考え、すぐに小学四年生男児の戸野(との)風馬の捜索を開始した。


 そして何軒か友人宅へ訪ねて、風馬について最近何か変わったとこはなかったかと聞き出した。


 「あいつ、そういえば今日大荷物だったよ。ランドセルがパンパンだった」


 「大荷物?」


 「うん。なんでそんなになってるの?って聞いたけどちゃんと答えてくれなかった。その割には授業で教科書忘れたって言って何回も先生に怒られてたし」


 教科書じゃないなら何入ってたんだろと友人達は不思議そうな表情を浮かべていた。


 家出の可能性も浮上してきた。自発的なのか、それとも大人に唆されたのかはまだ分からない。しかし子供達が言っていることが本当ならば、ランドセルに入ってたものは教科書ではなく、着替えなどであろう。家出に必要な道具が詰まっていたのではないだろうか。小学校の教師にも聞き込みに行かなかければ。


 

 戸野両親にも話を聞く。


 「最近、息子さんの様子がおかしかったことはありませんか」


 「あぁ…『交換授業』から帰ってきた後は多少はしゃぎすぎていたこともありましたけど、ここ数日間はまた以前のように戻りましたよ。真面目に勉強していて特に変わりなかったはずです」


 早く見つけてあげたい、と父親は少し涙ぐみながら答えた。


 「…」


 母親はそんな父親の様子を一瞥したあと、ほとんど喋らず無言のままだった。実年齢より老け込み、まるで覇気がない。いくら息子が急にいなくなったとはいえ、通報からたった数時間内でここまでやつれるものか?と警察は疑問に思った。



読んで頂いてありがとうございます!

感想等いつでもお待ちしてます!


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