里の暮らし
投稿遅れてしまいすみません!
楽しんでいただけたら幸いです。
3/14(金)26(水)、加筆修正しました。
柊月と依は中腰の体勢で田んぼの中に居た。田植えするためである。長時間の作業のため腰が痛い。辛い。
あいにくここには田植え機のような便利な道具は無いため手作業で行われている。大人数で手植えしていくのだ。
フーフー言いながら何とか進めていると
「お疲れさん、休憩よ」
と声が掛かり、2人はその場で座り込んだ。作業着がところどころ汚れている。あとでこの寺家族から貰った和服に着替えねば。
田んぼに足を取られるため履いている長靴が抜けないことがある。出て休憩することも一苦労だ。周りの人の手に捕まりながら足に力を入れて踏み出す。
田舎の暮らしは想像以上に厳しかった。
初めてここを訪れて食事を頂いた後、食べ終わった皿を柊月達は台所に持っていった。
手分けして皿を洗っていく中、そういえば食洗機とか無いんだったと柊月は心の中で思った。
しかしそれは境家でも同じことであった。ましてや元の世界でも食洗機が無い家などザラにあるだろう。
面倒ではあるが大したことでは無いと楽観的に考えていた。
しかし大変なのはここからである。
初日にまず柊月と依は稲作の手伝いをした。
苗を大体これくらいの間隔で植えていってと渡されて2人はヒーヒー言いながらも取り掛かる。
しかし時間が経てば2人は何かに取り憑かれたかのように、無言で体を動かしていた。その姿はまるでロボットのようである。
作業自体は特に支障なく進められたものの、時間が経つにつれやはり腰が辛い。もしやこれを毎日行うのか?今後の生活を無事に過ごせるか、不安が頭をよぎった。
それにしても。植えられた苗を見ながら柊月は思った。
随分スカスカに植えていくんだな。
しかしそう指示されたのだからと頭を切り替えて手を動かしていった。
そして手伝いが終わった後、柊月と依は様々なことに驚嘆した。
お手洗いがボットントイレであるため当然ウォシュレットなど無い。
風呂の浴槽は自分で竈に火を入れて湧くまで小一時間待たされる。
洗濯機が無いため洗濯板でゴシゴシこすりながら汚れを落とす。
冷蔵庫は木でできた簡易的な箱があったが、当然食材が長持ちするような代物では無い。
そして娯楽など無いためさっさと早く寝るようになった。朝は住職らの読経で目覚める。電気やガスがほとんど無い生活で、まるでタイムスリップしたようだ。
最初こそ目新しいものばかりで食事も美味しかったが、だんだんとコンビニやジャンクフードが恋しくなった。
寝る前に、布団の中で柊月と依はすごいところ来ちゃったね…と2人で顔を見合わていた。
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