農村へ
少し短めです。
3/5(水)17(月)4/1(火)加筆修正しました。
柊月と依は響の車の後部座席に乗っていた。
柊月は何としてでも元の世界に戻る方法が知りたかった。これまでに何度か踏切まで足を運んだことはあったのだが、案の定何も起きずただ歩くだけで終わってしまった。当然、依も帰る手段など分からないとのこと。
今回農村へ行く理由も都市の場合と同じである。元の世界へ戻る方法や情報、何かしらの手掛かりを得たいのだ。
響は着いていきたいという柊月の申し出に最初は驚いていた。農村や田舎の生活はまた違った大変さがあると伝えたが、都市のような怖さが無いのなら柊月は構わなかった。
そして勉強を手伝う提案を最初は受け入れたにも関わらず、結果断る形になってしまったため柊月は澪に謝罪した。澪は今すぐ将来のことを決める必要は無い、いっておいでと柊月の背中を押してくれた。
依も柊月1人だけ行かせたくない、私も行くと言って聞かず車に乗り込んだ。おそらく、自分がいない時に友人が襲われてしまったということが心に残っているのだろう。
舗装されておらず、道とは呼べない道を車が不安定そうに走ってどれほどの時間が経っただろうか。
乗っている間には鳥居や、どこまでも続くような長い壁を何度も目にした。そのそばには警備員や警察官が立っている。皆厳しい表情で境目を越えていくこの車を見つめていた。まるで罪人にでもなったようだ。彼らと目が合いそうになった柊月は慌てて目線を逸らす。
車が止まる。そこは全方位を山に囲まれていた。
「着いたよ」
3人は車を降りて世話になる家主に挨拶する。相手は坊主頭で袈裟を着た僧侶だった。
「こんにちは」
「よろしくお願いします」
「柊月さんと依さんですね」
よくぞいらっしゃったと彼は快く2人を迎え入れた。
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