都市と農村
ようやく書きたい内容の本題に入れた気がします。笑
よろしくお願い致します。
「…しかしなんで都市の奴らはこうも突っ走っていくのかね。俺らは別に反対しているわけじゃないんだけど」
「反対?」
柊月は思わず声に出してしまっていた。独り言のように呟いた響の言葉の意味が分からなかったからだ。
響はあぁ、と言って解説する。
「コンピューターとかインターネット…。つまりテクノロジーが都市では最近急速に発展しているんだ。それを農村や田舎にも普及させようとしているんだよ。それ自体はもう時代の流れだから賛成も反対もしないんだけどさ」
響はタバコの煙をフーッと吹きながら続ける。今の柊月にはそのタバコの匂いなど気にも留まらなかった。
「あまりにも早く急激に進めるものだから、やっぱり問題も出てしまってね」
「問題?」
今度は依の声が出た。
「一番顕著なのは奴らが無駄だと思ったものをどんどん廃止していくことだね。宗教とか共同体とか、他にもたくさん」
「…」
正直なところ柊月はあまりしっくりこなかった。宗教など普段の生活では意識せず、共同体の具体例というのもすぐに思いつかない。
どちらかと言えば自分自身は都市側の人間じゃないかとさえ思ってしまった。
「お互い様という言葉もきっと保守的だって思われて目を付けられたんじゃないかな」
柊月と依は顔を見合わせて周りから鋭い目で睨みつけられたことを思い出した。
「だから俺は普段から田舎や農村を回って、急激な『都市化』によって起こる混乱を防ごうとしているんだ」
響の説明自体は理解できる。しかし体感的には分からぬままであり柊月は頭を悩ませた。
「あの、田舎や農村も『都市』のように喋ってはいけない言葉はあるのですか?」
柊月が考え抜いて捻り出した質問に、響は一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑って答えた。
「それはないよ。今こういう状況を作り出したのは『都市』の人間だからね」
それならばと柊月は意を決して言った。
「私も同行することは可能ですか?」
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