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大学へ
『都市』の中は拍子抜けするほど『普通』だった。見慣れた光景が広がっている。
電車に乗りながら柊月は内心そう思っていた。
ビルに囲まれたたくさんの人が早歩きで駅構内を進んでいく。
元いた世界となんら変わりなく、むしろ『都市』の方が安心感があった。
「見た目はすごく似ているね」
「うん…」
このまま『都市』を歩いていけば元の世界に戻れるのでは、とまで柊月は考えてしまった。
それにしても。
このようなビルで働いている人々は、一体何の仕事をしているんだろう。
2人は最寄駅に降りて大学へ向かう。
「こっちの大学がどういうものなのかも知りたいけど…」
柊月が依にそう切り出す。
「やっぱり元の世界に帰る方法見つけたいよね」
どうやら依も同じ思いのようだった。
大学の構内も学生でいっぱいだった。
「…ところでどこ行く?」
「何も考えてなかったね」
2人でうーんと唸っていると男性から声をかけられた。
「君たち高校生?」
20歳前後に見えるため、おそらくこの大学の生徒だろう。2人ははいと答えた。
「よかったらうちのとこ見に来ない?」




