悲劇
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テレビには一軒の家が映し出されていた。外観は大きく立派だが、黒く焼け焦げた骨組みが露わになっている。画面の下には、大きな文字で『一軒家で火事』と表示されていた。
すでにほぼ消し止められたのか、火自体は小さなボヤが残る程度だった。しかし家屋の周囲には何人もの警官が立っている。
そんな変わり果てた状態であっても、そこに映し出されている家や周りの街並みはどこか見覚えがあった。
「ここは……まさか」
昨日柊月たちが訪問した朝陽と暁の家だったのだ。
「う、そ……」
柊月は唖然とする。朝陽は、暁は。家族は無事なのだろうか。
「今現場の前に来ています」
中継でアナウンサーが状況を説明していた。
「……本日明け方頃、隣人から『家が燃えている』と警察と消防に通報がありました。この家に住んでいるとされるのは、一浦徹也さんと陽子さん夫婦、長男の朝陽さん、長女の暁さんですが、現在連絡が取れていない状態です」
見知った名前が読み上げられ、絶望が胸に広がる。あの家で火事が起きてしまったのか?連絡が取れていないということは、それはもしや……。
「あ、あぁ……」
柊月は声を振るわせ、顔が青ざめていった。この場にいる全員が最悪の事態を考えているだろう。
しかしここで別方向から、更なる悲劇も襲ってくる。
「……今入ってきた情報によりますと、父親の徹也さんと連絡が取れたとのことです。徹也さんは『妻と一家心中を図った』と話しており、警察はこれから詳しく事情を聴く方針です……」
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