トラウマ
楽しんで頂けたら幸いです。
(もう100ep!?いつの間に……。感慨深いです笑)
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
「2人とも、門限は大丈夫そう?」
響が尋ねた。朝陽は時刻を確認する。
「あー、そろそろ帰んなきゃ」
名残惜しさを抱えたまま遊園地を出ようとしたとき、暁が不意に指を差す。
「あ、実はね。あれ私たちの家」
その先には大きく立派な一家屋が建っていた。
駅からすぐ近くの場所、つまり都市の一等地にあれほどの家。おそらく相当裕福な家庭だろう。柊月は思わず息を呑む。
「あーあ、それにしても遊園地ってあっという間に時間過ぎちゃうよね……」
呆気に取られる柊月をよそに、暁はため息を吐く。依も小さく頷いた。
「また会えばいい」
勇一郎もそう答える。
気付けば空は夕焼けに染まっていた。ポツポツ明かりが見えてくる、灯ともし頃だ。
東には暗い青が広がり始めている。その色は「まだ帰りたくない」という、柊月の寂しさを映し出しているようだった。
「……」
柊月の胸の奥が、わずかにざわつく。
こちらの世界に来た時も、こんな夕方であった。街灯がつき始め、少しずつ薄暗さが漂ってきた頃。
そして、見知らぬ女に首を絞められ殺されかけたのも、昼の明るい時間を過ぎた後のことだ。
夕方という昼と夜の狭間を表す時刻に、柊月は少しトラウマができてしまっていたのだ。
「ねぇ、もしよかったら……」
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