典型例
1/12(月)、加筆修正しました。
どうぞよろしくお願いいたします!
「勉強といっても国語や算数の勉強をするわけじゃなかったんだね」
子供達や福祉の職員らが帰った後、柊月は依に耳打ちする。
「そういう子達は少数派だね。……正直、勉強どころじゃない子がほとんどかも」
「そっか……」
こちらの世界に来て早々、シビアな現実を柊月は目の当たりにした。
少し暗くなった雰囲気を変えるように、柊月は「勉強」という単語が出たときから気になっていた疑問を口にした。
「そういえば……私学校に行かなくていいのかな?依は?進学か就職かだって考えないといけないし…」
そう尋ねると依は
「あぁー……それはね」
と少し苦笑しながら答えた。
「私たち18歳じゃなくて19歳だからもう高校生じゃないよ。まあ希望出せば通えるとは思うけど」
「え」
何を言っているんだ。私たちは高校3年生で17歳もしくは18歳じゃないか。
何がどうなったら19歳になるんだ。
「数え年って言ってね、ここは生まれた時から1歳なんだよ」
「数え年……」
その言葉は確か聞いたことがある。
昔祖父母が
「あの人は数えで〇〇歳でね……」
と言っていたことを柊月は思い出した。0歳という年齢が無いらしい。
「こっちはそういう歳の取り方なんだ」
「それと今の数え年って言葉、絶対に『都市』の中で言っちゃダメだよ」
「それって、もしかして最初に言った……」
依はコクンと頷いた。
「まさに典型例だよ。『都市』の人たちはそういう言葉に対してすごく敏感なの。封建的だって批判しているんだって」
ここよりも更に田舎や農村、里山に住んでる地域の人達にはより厳しい目を向けているらしい。
「でもどうしてそんなに目の敵にするんだろう」
柊月の疑問に依は分からないと答えた。
「だからご主人様に聞いてみよ」
読んで頂いてありがとうございます!
感想等いつでもお待ちしてます!




