森の核
投稿したと思ったら出来てなかったらしい。
重複してませんように!
是非最後まで読んでいってください!
冷たい突風が下から激しく吹き付ける、ここまで落下時間が長いと落下した時に骨折では済まない怪我を負うかもしれない
そう思うと少し怖い、それでも兄達と無事にここから出れると考えるとこの程度の恐怖なんてすぐ無くなる、のだが…
地面が見えてくるとやっぱり怖い!
そんな想いも落下の衝撃でリセット、一気に痛みに置き換えられた。
「うぅ…」
思わずか弱い声が漏れた。
痛いのは想定内だがこれほどまで痛いとは、どうやら落下の衝撃をだいぶ舐めていたらしい、
痛みのあまり血が出てるかがよく分からないが体の中から何かが溢れているような感覚がある、これが魔力か血か…
全くといえるほど分からないが早く先に進まなくては、
そうは思ったが体がジリジリと麻痺して体が言うことを聞かない。
「早速これかぁ…」
という声は私…ではなく知らない声、雰囲気からして私よりも幼い少年だと思う。
一体なぜこんなところに…?
「君は…?」
なんとか声を振り絞る
「あはは!こんな状況でよくそんな事が言えるね!」
どういうことかさっぱりだ
いつも兄によく笑うねとか言われる私だが流石に今回ばかりは顔を歪めてしまった
「どういうこと?」
だんだん痺れが引いてきてしっかりと声を出せた
「あぁ、君からは見えないのか、
まぁお前みたいなのに見せる必要はないね」
煽られているのだけは確かだ
ただ少年っぽい声にお前呼ばわりはなんだか気に食わない
出来れば後で殴っておこう、
「僕を殴るなんて無理だよ、試してみる?」
お言葉に甘えさせて貰いたいがあいにく体が言うことを聞かない、普通に悔しい。
「あぁ、怪我してて動けないのか」
そう言って少年が私の視界に入ってくる、そして私の胸の辺りに手をかざすと何も言っていないのにスっと痛みが消えていく、これなら難なく動けそうだ
「それじゃ、お言葉に甘えさせていただくわ」
立ち上がるや否や全力で少年の腹を狙ってパンチを繰り出す、流石に当たるだろと思ったが何故かパンチは外れ、少年は視界から消えた
少年が自分の真横に立っているのを認知した頃には既に少年の仕返しのようなパンチを脇腹に食らっていた。
吹き飛ばされ壁にぶつかり、今度は地面に衝突、中々きつい。
「遅いな、これが人間の力か」
少し、いやかなりイラッときた、
そういえば魔法と物理を同時に使うのはやったことがない気がする
じゃあこいつで試そう
「ヴェント」
右手に出した風の球を握って拳に封じる、
正直立ち上がれる自信はなかったがなんとか立ち上がる
「人族の魔法、興味深い」
絶対に当てる、気絶させて拘束して嫌がらせしてやる。
そんな憎悪としか言いようのない感情を込めて全力のパンチを___ 繰り出そうとした瞬間何者かに魔力を操作されたかのように不自然に魔法が制御不能になった
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「はっや」
その2つの声は風を纏った拳が発するとんでもない轟音に掻き消され、拳は流れるように少年の胸に命中した
どうしよう。少しやり過ぎたかもしれない
私の目の前には泣きながら土下座したりたまに暴れる白髪の少年が居た。
何があったか軽く説明すると、制御が効かなくなった魔法を纏わせていた拳がとてつもない速度で少年の胸に当たった、まだそこまでは想定内だった。
ただその後、少年のあばら骨が何本か折れてしまったらしい、それがだいぶ痛かったらしく、私には喧嘩を売らない方がいいという判断に至ったらしく、今こうなってしまった
「今は怒ってないからそろそろ落ち着いて」
そう言った途端にピタリと正座した。
「えーと、名前は?」
「僕は種族の違う者に名を名乗りません」
優しく微笑んで右手に魔力を込めた
「僕の名前はアビスです」
「アビスはどうしてこんなところに?」
何気ない質問を投げかけたつもりがアビスのニコニコとしたさっきまでの穏やかな表情が突然真剣な物になった
「僕がここ、彷徨の森の核です」
想定外過ぎる回答のせいでその後何か言った気がするが完全に聞き逃した
「貴方はここから出たくてこんなところまで来たんでしょう?外まで案内しますよ」
凄く有難い。
「じゃあ、私の兄も連れてくるね」
そう言って来た道を戻り、ほぼ垂直な洞窟の壁をなんとか登って滝に打ち付けられながら湖に出た
「おかえり〜なんかあったか?」
元気よく炎精霊が迎えてくれた
「えっとね、森の核が居たくらいかな、それとその人が私たちを森から出してくれるんだってさ」
私がそう言うと炎精霊が焦るように飛び回りながら
「絶対やめたほうがいいぞ!確実に殺される!!」
「大丈夫、場合によってはこれでなんとかする」
そう言って利き手に魔力を込めて見せた
「なら大丈夫そうだな」
素早い手のひら返しだった
兄をしっかりとかかえて再び滝の中にはいる
炎精霊は兄の魔力の中で待機できるらしい、魔力の中が気になってしょうがないが とりあえず滝つぼの穴を落ちた、今度は上手く着地したが足がヒリヒリと痺れた。
最近気付いたのだが、私には絶対的な記憶力があるらしい、それを駆使してアビスの元へ戻った
「戻ったよ〜」
「よく戻れたなぁ…こんなに入り組んでるのに」
少し悔しそうな様子でそう呟いた。
私はその発言を無視して 早く行こ と言った
「わ、わかりました、行きましょう」
どこか霧にも見える白髪を揺らしながら少年が少し上り坂になっている洞窟を進み始めた
洞窟の中を何分か歩いていると、あっという間に洞窟からも彷徨の森からも脱出出来た
それから数時間かけて休憩しつつもなんとかリスターに辿り着いた、
しかしリスターはところどころから黒い煙をあげ、悲惨な姿になっていた
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ネトコンの〆切は5月31日だと思っていました。
それならキネコンのほうやれば良かったかなとやや後悔つつ…
続編も楽しみにしててください