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2 : 彷徨の森

放置し過ぎた。楽しんでいってね

地面の感覚を全身(主に背中だが)で味わった感想を聞かれれば僕は間違いなくこう即答するだろう、


「いてぇ…」


体がジリジリと痛んで上手く動かない、魔力で傷を治せないかと必死に操作しようとするが体内の魔力が何故かほとんど枯渇しているようで傷を治せるほどの魔力が使えない、後は体外の魔力なのだがここらは魔力が枯渇しているらしく本当にどうしようもない、今は諦めて助けを待とう…




落ちてからどれ程経ったんだろう、気付いたら空が夕方の闇に包まれつつある、あまりにも遅い、炎精霊ですらこの霧に迷ってしまったのだろうか、そんな不穏なことを考えていると


「お兄ちゃーん!!!!」


毎日聞いた透き通った綺麗な声が聞こえた


「スカーリア!」


正直意識が朦朧としつつあるせいで上手く声になったかは分からなかった、ただスカーは確かに僕の目の前に来て………


意識が完全に途切れる寸前に残ったのは

スカーの服汚れてたなぁ

という思いだった





風が吹いて霧が流れてきた、少し霧が濃くなって兄の姿が一瞬見えなくなった、そして視界が戻った時、既に兄はいない、そして周りに生えていた木の位置もさっきより明らかに変わっている、物凄く嫌な予感がする。


こういう時はなるべく動かない方が身の為になる、とりあえず火でも起こしておけば兄の火精霊がきっと助けに来てくれる。


地面に落ちてたパッと見乾いている枝を幾らか拾って焚き火を作る、後は火を着けるだけだが…


周りにマッチは…ない

火打石は…石ひとつ無い

魔力は…ある


彷徨の森はただの森林とは訳が違う、魔力が大量に存在していたってなんらおかしいことでは無いだろう。


火属性の魔法はどちらかと言うと苦手な方だがこれだけ魔力があれば乾いた枝に火をつけるくらいは出来る、と思う


「イグニート!」


手のひらを上にしてそう唱えると小さな、枯れ木に火をつけるには充分な大きさの炎が出来上がった、それとそっと焚き火に乗せて少し待つ、バッと音を立てて焚き火に火がつく。


ジメジメとした霧に冷やされた体が炎に温められていく、ずっと歩いていたからだろうか、なんだかウトウトしてきた…


思わず倒れそうになる、今座ったら本当に眠って……




どうしよう、気付いたら寝てしまっていた

何か接近してきてないか確認してみるが何も…

いや、炎精霊がこちらに飛んできている


「いぇぇぇ!!!!見つけたぜェ!

超絶美人な少女ォ!」


思わずうわと言ってしまったが彼は多分お兄ちゃんの炎精霊だ、


「えっと、貴方は私のお兄ちゃんの精霊…であってる?」


「もちろん!ほら、お前の兄が探してっからとっとと行くぞ」


もしこれが精霊じゃなかったら迷わず逃げてるなぁ と思いながらふわふわと動きだした精霊の跡を追った。


そういえばこの炎精霊はどうやって私の元に辿り着いたのだろうか、私が起こした火を感知して来たのかもしれないが、それだとあの真っ直ぐこちらに向かってきていたような気配はなんだったのだろう、場合によっては何かしらの策を講じなければならなくなる、ひとまずそれに関しては兄と合流したら話し合おう、


「その先に崖あっから気を付けろよ」


考え事をしていたせいでその言葉に気付くのが遅れた、

意識した時点ではもう足元はなくなり落下感が全身を包んだ。


ただ私はこの程度で怖気付くほどヤワじゃない。


「イスコートドヴェント!」


風の盾で落下を遅めて着地、ちなみに空中で体制を立て直す方法を知らないためゆっくりとうつ伏せ状態で着地した。


立ち上がって周りを見てみる、

何mか先には綺麗な湖、そして右には仰向け状態の兄、左には兄と同じように仰向けになった白骨…


私が居なかったら兄もこうなってたかもしれない。


「お兄ちゃーん!!!!」


兄が嗚咽を漏らした、多分相当痛いんだと思う。


「早く回復させなきゃ…」


確か回復魔法は…

炎精霊の方をチラ見してみて


「な…俺は魔法の類なんて一切知らねぇぞ」


どうやら私が兄をおんぶして彷徨の森から気合いで出るしかないらしい





兄をおんぶするのはなんの問題はない、だが別に問題がある、それはこの森から出ること、

そもそも出口なんて存在しないのでは?と思ってしまいたくなるくらいここで行方不明になったという噂があり過ぎる、この森から脱出でもしようものならもれなく有名人になって世界一の冒険者などと呼ばれてしまうかもしれない、


「ねぇ精霊さん、出口どこかにある?」


「んー、ない…いや、あっちになんかあるぞ、

行ってみよう」


こくりと頷いて兄を背負ったまま炎精霊に着いていった。


10分ほど歩いただろうか、ザーザーと滝の音が聞こえてくる、本当にこの森はどうなっているんだろう、途方もないことを考えてしまって思わずため息を吐いてしまった。


茂みを出るとその先には霧のない森と分離されたかのような空間に出た

池と滝がある、そして滝の上には…やはり霧で見えなかった。


「着いたぜ、滝のせいで俺は行けねぇがアンタなら行けんじゃねぇか?」


「分かった、滝つぼになにかあるんだね」


今度は炎精霊が頷いた、兄をそっと地面に降ろして兄の身は炎精霊に任せることにした。



滝に近付くと耳を塞ぎたくなるような轟音が聞こえる、それでも更に滝に近付く、

そしてゆっくりと滝に入る、

バチバチと水が全身を打ち付けて思わず うっ と声を漏らしてしまったがもう勢いで滝つぼに入った。


きっと勢いよく入ったのが悪かったのだろう、

滝つぼの中心に兄が縦向きでなんとか入れるくらいの穴にスポッと落ちてしまった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

なんかもう凄く放置してました。

ダントファングの方はいつか書きます、

今回はもう…うん、放置し過ぎて内容忘れまくりです。

これからは気を付けようと思います

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