表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/250

第九十六話 鬼

お待たせしました!


それでは本編をどうぞ!

私はくみの親父さんと向き合っている。

「テメェー話聞いてなかったのか?くみと女房連れて来いって言ったよな?」

「くみなら来てるよ。話したいらしいからな!」

私が少し後ろを向くとくみが出てきた。

「遅ぇーぞ、早く飯を作れや!お前らが勝手な事したからこのガキがこんな目遭ってんだぞ!」

「何言ってるのよ!こんな事して、ただで済むはずないでしょ?私たちが一日家を出ただけで何考えてるのよ⁉︎」

くみは泣きながら叫んでいた。それでもくみの親父さんは悪びれる事もなく続けた。

「はぁ?何言ってんだ?お前らが拐われたからこっちも拐っただけだ、問題はねぇーはずだ!」

「何言ってるの…?私たちが遊びに行く事すら許さないの?そんなのおかしいでしょ⁉︎」

「おかしい?テメェーらは俺の召使い兼奴隷だ!奴隷に休日はないだろ?」

「やっぱり…私たちの事を…家族と思ってなかったんだね…もう私はお父さんとは縁を切ります!」

「ほぉー?それでどうするんだ?お前一人で生きていけるのか?野垂れ死ぬのが関の山だろうが!諦めろ!お前一人じゃ生きていけねーよ!」

笑いながら反吐が出る様な事こいつは言っていた。なので私が答える。

「くみはあんたよりしっかり生きてるよ、あんたみたいに心が汚くねぇーからな!」

「ほぉー?ガキが言うじゃねーか!金が無ければ生きていけねーのによ!あーそうか、女は身体で稼げるもんなー?いいよなー女はよ!」

「おい、テメー今なんつった!ゴラ!女がなんだって?何も知らねークズが!テメーみたいな奴は生かしておけねぇー!くみ!もうこんな奴と話す必要はねぇーぞ!こいつは私が叩き潰す!」

私の前世は男だった、だからこそ!女の人にしか分からない苦しみや痛みが今はよく分かる。だから今の言葉は聞き捨てならない!こいつはここで潰さないといけないのだ!それに…さくらを傷つけた奴を生かしておくほど私は優しくないのだ!


「くみ、さくらをお願い…」

「分かった…」

「おいおい、このガキを取り返しに来たんだろうが返す訳ねぇーだろ?こいつはこいつで商品なんだからよ?」

「は?何言ってんだ?オッサン?」

私はもうキレていて前世の口調になっていた。

「お前は女らしくないから商品価値は無さそうだな。このガキはお前を片付けた後売るんだよ、奴隷市場にな!」

私はその瞬間飛びついた!我慢の限界を超えたのだ、瞳孔も開き一気に間合いを詰め木刀を振り下ろした。男も瞬時に飛び退いた。

「へぇーやるじゃねぇーか、でもな…」

オッサンの方も木刀を手に持っており片手でさくらを抱えていた。飛び退いた場所に木刀が立てかけられていたのだ。

「このガキがいる限りお前は全力では戦えねぇよなー?」

「フンッ、そんな事か…生憎とそんな柔な鍛え方はされてねぇーよ!その気になればアンタの肩ごと貰うまでだ。」

「テメェー本当に女か?そんな殺気を放つ奴はテメェーが初めてだぜ…」

「ここからは殺し合いだ…アンタもそのつもりで私に喧嘩を売ったんだろ?」

「正直、テメェーを舐めてたぜ、俺もマジでいくぞ!」

「あかり!あの人も剣道の有段者よ!しかも全国大会レベルの!」

「ほぉ?という事は私より格上か…」

だが、負ける訳にはいかないのだ!さくらの為、くみの為に!私は木刀をしっかりと握った。

「いくぞ!」

「来いよ!クソガキ!」

私は再び奴の間合いへと飛び込んだ。そしてさくらに当たらない様細心の注意をしつつ木刀を振った。

(ああは言ったけどやはり全力では振れない。やり辛い…)

(チッコイツ…急所を的確に狙って来やがる。片手が使えねぇのは辛ぇーぜ…)

互いの思惑が交錯しながら木刀は何度もぶつかり合う。

そして…

バキッと音を立てて互いの木刀が折れた…

そして相手が一瞬驚いた隙をついて私はオッサンにタックルをした!その衝撃でオッサンはさくらを離した。

「さくら!」

私はさくらが地面にぶつかる前に間に入ってクッションとなる。

「いてて…はっ!さくら!大丈夫?さくら?」

さくらは気絶していた。それでもそこまでの外傷は見当たらなかった。

「良かった…さくらが無事で…」

「ほぉ?無事ね…テメェーよくもやってくれたな⁉︎」

「チッ!もう起きたのかよ…」

私はさっきさくらを庇った反動で動けないでいた。オッサンの方は今度は真剣を持っていた…

(流石に負けたみたいだ…それでもさくらだけは守らないと…)

私は最後の力を振り絞ってさくらを抱き寄せる。

「死ね!ガキども!」

振り下ろされる真剣を私たちは避けれなかった。もう駄目かと諦めたその時だった。

ガチーン!

「アンタかい…?ウチの娘達に手を出したのは…?」

とても低い声だったけど、誰の声かは直ぐに分かった。

「か…母さん?」

「あかり。勝手な行動をとったアンタは後でゆっくり話を聞いたげる。だけどその前にこの害虫は駆除が先ね!」

元ヤン時代の特攻服姿に、2本木刀を持った母さんがそこに居た。

男尊女卑の考えの人ってやっぱりまだいるんですかね?居たら流石にやめましょう!全ての人は平等なんですからね!いじめやそういうのも無くなってほしいと思っております。


次の更新は今日の21時です!

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ