第九十一話 条件
お待たせしました!
それでは本編をどうぞ!
さくらが荷物を持って帰ってくれたので手ぶらでくみを見張る事が出来る様になった。
くみは相変わらず公園のベンチに座っていた。
「どぉですか?姉さんホシに動きはありましたか?」
「さくら…何その言い方?」
「最近見たドラマの刑事さんの口調、一度言ってみたかったの!はい、あんぱん!」
「まさか、あんぱん買ってきたの?」
「ううん、今日のおやつはあんぱんだったから持ってきたの!雰囲気あるでしょ」
「遊んでないで、さくらも協力してよー!」
私はさくらのおでこを人差し指で一つ突いた。
「そろそろ動くかな?」
「時刻は18時か…うーん…さくら、くみの所へ行ってくれない?私がこの格好で行くと帰ってない事がバレるからね」
「えっ?でも私はバレていいの?」
「さりげなく通って偶然を装ってくれればいいのよ、踏み込める所は踏み込んでね!」
「ミッションだね!よし、行ってきます。」
さくらはテクテクと歩いてくみの所へ向かった。
少しして…いや、1分も経たずにさくらは戻ってきた。
「どうだったの?」
「お姉ちゃん…バレてたよ!なんか恥ずかしいよ!私が来る前からずっと知ってたって!もぉ!恥ずかしすぎるよ!」
「…は?」
私はそれしか言えなかった…
「くみお姉ちゃんから伝言、『あかり!早く帰りなさい!』だってよ!」
「しょうがない!こうなったら…突撃しよう!」
「お姉ちゃん…その精神凄いね…私なら心折れてるよ。」
「さくら、このくらいで折れてたら生きていけないよ!」
という事で私たちはくみに話を聞きに行く事にした。
「くみ、どうして帰らないの?」
「あかり、それは私からも言いたい。なんで帰らないの?」
「くみが心配だからに決まってるでしょ!私がしつこいの知ってるよね?」
「全く…あかりには敵わないな…しょうがない…もう少し待ってて、お母さんが帰ってくるから、それから話すね。」
「わかった、さくらは一旦帰って母さんに伝言を伝えて、少し遅くなるって!」
「うん、分かった。一旦帰るけどまた来るからね、くみお姉ちゃん…顔色悪いよ、私も協力するから頼ってね!」
そう言うと、さくらは家へと帰っていった。
「さくらちゃんにまで心配かけるなんて、年上失格ね…」
「そうでもないよ、私だってさくらに心配かけさせてる事あるし、私もさくらの心配をする事もある。持ちつ持たれつだよ!」
「ふふふ、そうね…でも、これを話すならお母さんが居ないと…」
「了解、話してくれないと分からないからね。その条件は受け入れるよ」
「ありがとう…」
しばらくするとくみのお母さんが公園に来た。
「あら?あかりちゃん?どうしたの?」
違和感があった。前に会った時の様な笑顔ではない。作り笑いの様な…そんな気がした。
「くみが今日倒れたので付き添いで帰ってきました。」
「え…そうなの…ごめんなさいね、迷惑かけてしまって…」
「その事でお話しを聞きたいのです。くみがここまで無理をするって事が今までなかったので…」
「心配してくれてるのは嬉しいけど…これは家族の問題だから…」
「手遅れにはなりたくないんです。さくらの時みたいに私が居ない時に何かあるのはもう…」
「…くみ、いい友達を持ったわね、いいわ、話しましょう、その代わりくみを守ってくれる?それが条件よ。」
(やっぱりそう言う事か…)
うすうす勘づいていた。このお母さんがくみに危害を加えるはずがないと、という事は…
「今私の旦那が帰ってきてるの…」
そうして私はくみのお母さんから事情を聞くのであった。
短くしたかったけど長くなりそう…
なるべく百話までには終わらせたい。
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




