第九十話 違和感
お待たせしました!
それでは本編をどうぞ!
午後3時を過ぎた頃にようやくくみは目を覚ました。
「ん…あかり…?」
「えり!起きたの⁉︎」
「うん…おはよー…ごめんね、心配かけて…」
「いいよ、それより何があったの?保健室の先生が極度の寝不足と疲労だって言ってたよ。」
「あー…うん…あと少しだから…大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないでしょ!くみは倒れたんだよ!それを大丈夫とか言わないでよ!」
私はくみを怒鳴りつけた。くみは少し驚いていたけど、大丈夫の一点張りである。
「あかり…心配してくれてるのは嬉しいし、本当は助けてほしい…でも…これは家族の事なの!だから大丈夫だよ。」
どこまでも落ち着いた声で私に言ってくる。
「…はぁ…わかったよ…でも、次倒れたらくみが何を言おうと私は関わるからね!」
「うん、わかった…あまりあかりには関わって欲しくないけど…もし、本当に危なかったらあかりに頼るよ…」
くみは本当に私を巻き込みたくみたいで目を逸らしている…
「じゃあ帰ろうか!」
「えっ?あかり、部活は?」
「さっき主将と監督がきて、付き添ってやれとの事だよー!」
「ごめんね…迷惑かけて…」
「迷惑だなんて思ってないよ、帰ったらさくらと一緒に走るからねー最近あの子走りたがるのよね、ちょうど良いから付き合って貰ってるの!」
「そうなのね…じゃあ途中まででいいから付き添って…」
(ん?途中まで?なぜ…?)
私はくみの言葉に疑問を持った。何故ならくみの家はほんの少し遠回りになるが遠慮するほどではないし、今までもくみの体調が悪い時は付き添っていたのに、今回はなぜ?
「わかった…じゃあ途中までね…」
私はその疑問を心に留めて了解した。
帰り道の事である
「ねぇ、あかり、私が居なくなったら悲しい?」
「はぁ?何言ってるの?悲しいに決まってるじゃん!
「あはは…そうだよね!ごめん、変なこと聞いたね、忘れて!」
(やっぱり何かある…それだけはわかった。)
くみと近所の公園で分かれた。
そして私は帰るふりをしてくみを尾行する事にした。と言ってもほんの少しだ。
そうなるはずだったが…何故かくみは帰ろうとしなかった…公園にずっと座っているのだ。
(これは明らかにおかしいぞ!)
私がくみに見つからない位置で隠れていると急に後ろから声をかけられた。
「あれ?お姉ちゃんなにしてるの?」
「うわっ!さくらかー、驚かさないでよー」
「いや、その、ごめんなさい…それで何してるの?あっ!くみお姉ちゃんだ!おーい!くみおねぇむごむご…」
さくらが急にくみを呼ぼうとしたのでさくらの口を塞いだ。
「さくら、ごめんけど先に帰ってて、くみの様子がおかしいの、その原因を突き止めたいから私の荷物も持って帰っててくれない?」
「…ほんとーだね、くみお姉ちゃん何か悩んでそう。わかった。じゃあ荷物置いてくるから私にも手伝わせて!」
「なっ!遊びじゃないのよ!」
「分かってる!でも、お姉ちゃんだけの大切な人じゃないの!私にとってもくみお姉ちゃんは大切な人なの、だから、お願い!」
さくらに真っ直ぐな視線を受け私は渋々頷くのであった。
今回はキリが良いので短めにしました。
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




