題名七十九話 信用
お待たせしました!
それでは本編をどうぞ!
ぱちーん! ぱちーん!
私のお尻からいい音がなった…
私は今お姉ちゃんにお尻を叩かれてる。
えりちゃんとれんちゃんが見られながら…
とんでもなく恥ずかしい…
たぶんだけど私のお尻は赤くなってると思う。
私のお尻を叩き終わると、時間的に二人はもう帰らないといけない時間だった、なのでお姉ちゃんが二人を送っていった。
私は初めてお姉ちゃんに本気で叱られた。反省はしてる…してるけど…嬉しかった。私の為に本気で叱ってくれる。今まで私が無茶をしても、叱られる事はなかった。大事だと思われてる事が嬉しい…
「さくら、少しは反省した?」
「はい…ごめんなさい…」
帰ってきたお姉ちゃんはまだ少し怒っていた。
「まったく!さくらもとんだお転婆娘だね!言う事聞かないし、家の中でもはしゃぐし!」
「それはお姉ちゃんも同じじゃない?」
「とにかく!二度と無理はしない様に!あの二人からのお仕置きは運動会が終わってからにするってよ!覚悟しておいてね!って伝えて下さいだそうよ!さくら、いい友達持ったね!」
「うん、私の大切な友達だよ!」
「そ・れ・な・ら!そんな友達に心配かけさせる様な事しないの!」
「はい…」
「あと、母さんもご立腹だからもう少しお尻が赤くなると思っておいてね!」
「…はい…」
そして、私は夕ご飯を食べた後にお義母さんにもお仕置きされた。
明日は学校なのに、椅子に座れるのだろうか…
お風呂から上がってきて洗面所の鏡で自分のお尻を見た。赤くなってた…だけどそこまで酷くはない、手加減とかではなく、暴力ではないからだ。私の事を考えて叩いてくれたのだ。今までみたいに髪を引っ張られたり、ご飯を食べさせてくれなかったりとは違う…みんな私の事を心配してくれている。
私はそんなみんなの心を裏切ったのだ…
これは当然の報いなのかもしれない。
「さくらーお風呂上がったー?ってなんで泣いてるの?」
「えっ?泣いてないよ!」
「いや、泣いてるって!ほら鏡見てみぃ?」
「あっ!本当だ…」
自然と涙が出ていました。私の気づかない内に…
「そんなにお尻痛いの?」
「違うの…私を心配してくれるのが嬉しいの…今までいろいろされたから…でも、今日…みんな…私の事を心配してくれた…私はまだ…心の何処かで…まだみんなの事を…」
「うん、もういいよ!言わなくて。さくらがしっかり反省してくれてるならいいんよ!」
お姉ちゃんに抱きしめられて幸せな気持ちで心が満たされた気がする。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
今の私にはそれしか言えなかった…
落ち着いた後、服を着てソファにうつ伏せで寝ていた。なんだかんだで疲れる一日だった。だけど、私にとって大切な事を学べた一日でした。
そして、私はいつの間にか眠っていた。
「ねぇー母さん。さくらの事、どう思った?」
「うーん…たぶん自分が無茶しても怒られない、そして人に心配された事がないからどこまでも無茶してしまうってところかしら?」
「うーん…やっぱりそうかー」
私はお風呂から上がってきて母さんと話していた。ソファにはさくらが寝ているので私が部屋に行く時に起こしてあげる予定だ。
「たぶんだけど、さくらちゃん誰かに期待された事無いんじゃないかな?普通運動会でそこまで頑張らないでしょ?初めて私たちに優しくしてもらって、なんとか恩返ししたいんじゃないかしら?それだと、説明が付くんじゃない?」
「なるほど…一理あるかも!さっきさくらが泣いてたんだよね、その時言ってたのが、『まだみんなの事を』って言ってた。たぶん言いたかったのは【信用していなかった…】だと思うよ。」
「そう…でも、仕方ないと思うわよ。信用って簡単にしてもらえるものじゃないし、特にさくらちゃんの場合は、ずっと虐待はされても叱られるって事はなかったと思うの。たぶん悪い事をしたら痛い目に遭うから何もしてこなかった。そして、無茶をしても怒られてこなかった。だから、今回の事に繋がったんだと思うわよ。」
「そうだね…私は信用されてると思ったけど、まだまだ甘かったのかもね。」
「そうね、あかりみたいに単純じゃないからね」
「一言余計じゃない?」
私は茶々を入れてきた母さんにツッコミをいれる。
「まぁとにかくあかりも明日は部活で早いんでしょ?さくらちゃん連れて早く寝なさい。」
「そうね、明日も早いし、さくらも無茶はもうしないだろうし、寝ようかな。」
私はさくらを起こして部屋へ連れていく。
「お義母さん…おやすみなさい。」
「はーい、おやすみなさい、ゆっくり寝なさい。」
さくらは寝ぼけながらも母さんに挨拶をして居間を後にする。
布団に入ったさくらはまたすぐに寝てしまった。
今回は仰向けで寝ている。どうやらもう痛くないみたいだ。
私の今日の収穫はさくらの友達がしっかりしてると知った事と、さくらがまだ心を病んでるのを知れた事。今後は後者をどうにか治していく事が目標になりそうだ。
私はさくらの頭を撫でる。
「さくら、おやすみ。いい夢を。」
そして、私も眠りにつくのであった。
人から信頼、信用されるのって難しいです。
崩れ去るのは一瞬だけど、築くのは時間がかかります。気をつけましょう
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




