第六十一話 学校をお休みした日の一日
投稿します!
それでは本編をどうぞ!
私はお義母さんに連れられて朝から病院へ来ていました。
「うーん…まだ腕の熱は取れてないね…さくらちゃん痛くない?」
「うん、痛くないよ。」
私は病院で先生の診察を受けてました。
「レベル2の火傷だからね、昨日の話を聞くと今まで何もせずに回復出来ていたのが不思議なくらいだ。」
「そうなんですか?」
お義母さんが聞き返しました。
「ええ、本来ならここまで腫れてるなら水膨れになってもおかしくないんですがね、さくらちゃんは全くその傾向が見られない。そして普通の肌の色に戻っていると仰ってた。」
病院の先生は不思議そうに私を見ていた。
「まぁ、今日安静にしていれば明日は学校に行って大丈夫です。その代わり日焼け止めクリームをしっかり塗って、帽子も被ってね!あと、一週間は運動会の練習も見学ね、お風呂も浸からずにぬるま湯のシャワーでお願いします。もし、痛みが出たらすぐに来て下さいね!」
「はーい!わかりました!」
先生から注意事項を聞いた私は元気よく返事をする。
そして、処方箋を貰ってお家に帰りました。
お義母さんは仕事なので私を家に送り届けるとそのままお仕事に行きました。
「それじゃあさくらちゃんゆっくり休んでてね、今日は特に何もしなくていいから、お昼は炊飯器にご飯が入ってるからあかりのお弁当のおかずの残りと一緒に食べてね、冷蔵庫にプリンを買ってあるから三時に食べなさい。じゃあ行ってきます!」
私は行ってらっしゃいと見送った。
さぁ、ここから暇になってしまった。
仕方がないので、本を読んだ。
まだ読んでない本なら沢山ある。
…
……
………集中できない…
誰かに会いたい。
今まで友達など居なかった。だから一人で本を読んで過ごしてた…
普段昼間は学校にいるのが当たり前になっていたから初めて学校を休んで、不安なのだ。そんな事を思ってもあかりお姉ちゃんもお義母さんもお義父さんももちろん友達もいない。
「寂しいな…」
そんな感じで午前中を過ごした。
午後は家の中から外の庭を見ていた。
何もすることはないけど、外を見てた方が落ち着いた。もちろん日差しには注意をしている。
すると、お隣のおじさんが脚立に登り、木の枝を切り始めた。
私はその様子を見ていた、みるみるうちに長さが調節されて綺麗になった。
「す、凄い…」
私は見てて自然に言葉が溢れた。
すると、こちらの視線に気づいたのか、おじさんがこちらに手を振ってきた。
私もてを振り返す。
手招きをしてきたので、私は鍵を閉めてお隣へ行ってみた。
「こんにちは!」
「はい、こんにちは、今日はさくらちゃん休みかね?」
「うん、日焼けが火傷みたいになっちゃったから…」
「そうなのかい?早く良くなるといいね、おじさん今から休憩するから一緒にお茶でも飲まないかい?」
「いいの⁉︎やったー!」
私は二つ返事で誘いに乗った。
「さくらちゃんはお茶でいいかな?生憎とジュースとかはないのでね。」
「うん!好きだよ!」
誰かと話せて少し安心している私がいる。
「私ね、寂しかったの…前は一人で家に居ても大丈夫だったのに、学校に行って、友達が出来て、それからずっと学校が楽しかったんだ、だから今日休んでしまったから前みたいに本を読んで勉強してたの…そしたら全然落ち着かなかったんだ。」
私は半ば愚痴のような事を話していた。おじさんはそんな私の話を聞いてくれた。
「それは、良かった事じゃないかい?」
「えっ?」
「世の中には学校に行きたくない子もいるし、行きたくても行けない子もいる。それはクラスに問題があったり、親に問題があったりいろいろだけど、それでもさくらちゃんは治れば学校に行けてそれでいて、仲の良い友達もいる。良い変化がさくらちゃんの中で起きたんだよ。喜んで良いんだよ。」
「そうなのかな?」
「そうだよ、さぁこれを食べたらおじさんはまた庭の木の枝を切らねばならないからね、さくらちゃんもお帰り、今日はみんなの帰りを待っていてあげなさいな、」
そういうとおじさんは饅頭を食べて、お茶を飲み再び仕事へと戻る。私もお茶と饅頭を頂いて、おじさんにお礼を言って帰った。
家の中はやはり静かだったので、お昼寝する事にした。
(早く誰か帰って来ないかなー…)
そんな事を考えている間に私は寝てしまっていた。
次に起きた時にはあかりお姉ちゃんとお義母さんが帰ってきていた。
「あ、さくらおはよー」
「おはよーお帰りなさい。お姉ちゃん。」
「ただいま、どぉ?少しは良くなった?」
「うん、腕の熱は引いたよ。」
「そっか、それじゃあ、明日は学校行けそうね、無理なら早退して帰って来なさいね、」
私はうなづいた。
今日は寂しかったから、二人が早めに帰って来てくれて本当に嬉しかった。
そして、明日は学校に行ける。それだけで私は心から嬉しいのがわかった。
凄く大切な一日でした。
あかりが最近空気な様な…そんな気がして来た今日この頃です。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




