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第五話 お散歩に出た

日曜日は時間があるので書く事が出来ますね

見に来てくれる皆様ありがとうございます!

 病院に戻ってきたのは10時ごろだった。母さんに騙されて学校まで行き、誰もいなかったからカレンダー確認すると今日が土曜日で休みであるという事を知った……


(おのれ絶対許さない!)


 そう心に決めた私は一度家に帰って母さんの大事にしてたシュークリームを食べてからコンビニでさくらの為にエクレアを買ってから戻ったのであった。さくらの病室に入るとそこには母さんは居なくて見知らぬ男女が二人来ていた。


「君が彼女を保護してくれたのかな?」


 男性がそう言ってきたがまずは誰なのかを知りたいので名前を聴くことにした。


「えーと、どちら様ですか?」


「あーごめんね、警察の者です。びっくりさせちゃったね」


 そういうと二人は懐から警察手帳を見せてきた。確認すると身分は女の人が巡査部長で男性が部長だった。


「彼女は今眠ってる様だし、また後日来ます。恐らく虐待の線が強いと思いますので、彼女は施設に入ると思います。」


 もう一人の女性の警察官がそう説明してくれた。そこで私は聞きたい事を聞いてみた。


「彼女の親は捜索届けを出しているのですか?」


 私の問いに二人は首を横に振る。


「それを知る為にも彼女の話を聞きに来たの。でも、お医者さんの話だとかなりの栄養失調でよく立っていられたよって言ってたわ。」


 悲しそうな目で彼女はさくらを見ていた。


「とにかくだ、後日また来るよ、乗りかかった船とはいえ、もう少しだけ面倒見てくれないか?」


 男性の方がそう言ったので、私は首を縦に振った。というか、もう離すつもりさない。


 その後、警官二人が帰ってから3時間ほど経ってからさくらが目を覚ました。


「お姉さんきてくれたの?」


 さくらは目を擦りながら聞いてきた。


「当たり前じゃん!休みの日なんだし、寝ている間に着替えも持ってきたし、明日の夜まではいるよ。来週からは学校終わったら毎日くるよ!あと、あかりでいいよ!」


 私は笑顔で答えた。さくらは気恥ずかしそうに笑っていた。


「あーそうそう、朝一度戻ってきたんだけど、さくら寝てたでしょ?でね、その時コンビニでエクレア買ってきたから一緒に食べよう!そうだ!せっかく天気も良いし、外で食べようか!車椅子借りられるか聞いてくるね!」


「そ、そんな、自分で歩けますよ!」


 なんとか立とうとするさくらであるがフラフラしておりそのままベッドに腰掛ける形になる。


「いいから、いいから、看護師さんに聞いてくるね!」


 私はさくらを静止しつつ、ナースステーションに向かった。さくらと一緒に病院の庭に出てきた、30分だけの散歩だけどやっぱり外に出ると心が弾む。


「あの頃と景色は変わりましたね。」


 さくらは中庭の木々や花壇を見ながら話していた。


「そうですね、それでも私はまた貴女に会えました。身体は変わりました。性別も変わりました。それでもあなたを思う気持ちは変わりません。」


 優しい風が吹く。春になったばかりで少し冷たくも感じた為さくらに寒くないかを尋ねた。


「寒くないですか?」


 私の問いにさくらは首を横にった。


「いいえ、気持ちの良い風です。」


 しばしの沈黙の後さくらが口を開いた。


「平和な世の中になりました。それでもやはり小さな争いは今でもあります。私は俗に言う虐待にあっていたのだと思います。だからもうあの家には戻らない……その気持ちで家を出て、貴女を探しました。もしかしたら今世では会えないかもしれないと何度も思いました。それでも会えると思い探しました。それこそ命をかけたと言ってもいいでしょう。それで、私は貴女に逢えた。もし、あの家にずっといたのであれば私はあなたに会えないまま死んでいたでしょう。身も心もボロボロになりました……それでも自分の生きる道を自分で選べました。私はそれが嬉しいのです。」


 車椅子に座っていて私からさくらの表情は見えないけど、きっと誇らしげな顔をしてるのだろう。


「だから、今世こそ、私を幸せにしてくださいね!約束ですよ!」


 顔を上げて私に向かって言ってきた。さくらの顔はとても凛々しく美しかった。私は車椅子のロックをかけてさくらの前に跪く。


「約束しましょう!今世こそ貴女を幸せにしてみせると!」


 私はさくらの手を取ると手の甲にキスをした。さくらは満足そうな顔をしていたが、急に何かを企む様な顔をして笑っている。そしてさくらが口を開いた


「私、ファーストキスを前世も今世もまだされた事ないんですよねー……」


 さくらがニヤニヤ笑っている。こんな小悪魔な一面あったのかと思うとまだまだ知らない事はありそうで嬉しくなった。私はさくらが何をして欲しいのかは分かっていたが流石にここでは無理なので、さくらにエクレアを渡した。


「エクレアのチョコレートが溶けそうだから食べましょうか。」


 と話を変えた。さくらは不満そうではあったが、エクレアを食べ始めてまたご機嫌に戻った。こうして初めてのデート?という名の散歩が終わったのだった。

という事でファーストキスはお預けです!

あまり難易度高くないみたいに見えますが、高く見えてるのはあかり視点なので作者である私はそこまで難易度を高くしようとは思ってません。

ただ現実の世界でならかなり難易度高いでしょうね。

これからもあかりとさくらの恋路を見守って頂ければ幸いです!

読んで頂きありがとうございました!

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