第五十六話 家族
いつも読んで頂きありがとうございます!
それでは本編をお楽しみください!
私たちが帰ると父さんも帰ってきており、もう夕飯の支度が出来ていた。
「「ただいま!」」
「あら、おかえりなさい。丁度良かったわー今晩御飯が出来たところなのよーさぁ食べて食べて!」
「はーい!でも、先に荷物おいてくるね!行こうさくら!」
さくらは返事をすると一緒に部屋へと行く。
荷物を置いて部屋着に着替えてから再び下へ行って四人で夕ご飯を食べる。
「明日は9時には出るから早く寝なさいね。運転は二人とも出来ないからお母さんたちが交代で運転します。なので、寝るなら車の中で寝てね!」
「はい!何から何までありがとうございます!お義母さん、お義父さん!」
「そんなにかしこまって言われるとなんだか照れるなー」
「そうね、あかりはお礼を言ってもそこまでかしこまらないからねー」
「そんな事ありませーん!やる時は私だってやります!」
私は母さんの言葉に対して言い返した。私だってやる時はやるのだ!ただ家族にだと、その…恥ずかしいのだ…
「ねぇ、さくら!私だってやる時はやるよね⁉︎」
「うーん…わかんない!私は見たことないかもー」
さくらの目が笑っている。これは私をからかっているのだ…父さんも母さんもさくらが私をからかってるのが分かって笑うのを堪えている。
逆に言えばそれはさくらはちゃんと知っているって事だし、母さんたちも分かっていてくれてるのだ。嬉しい!嬉しいのだが…
「ほほぅー…さくらはそんな事言うんだーこれは後でお仕置きが必要みたいねー夜が楽しみだねーさくらー」
「いやー!お義母さん助けて!お姉ちゃんにいじめられるー」
「はい、はい、もし何かされたらお義母さんのところへ来なさい。」
楽しそうに笑う私たちであった。
それから夕ご飯を食べた後、私たち二人はお風呂へ入った。さくらはもうあくびをしていて眠そうである。早めにお風呂に入れて正解みたいだ。
そこから髪を乾かして、歯を磨いてから明日の準備をする。
「あかりお姉ちゃん。ちょっと大きめのバックかる?」
「うん、あるよ?そんなに沢山持って行くのがあるの?」
「ううん、そうじゃないんだ…これを持っていくの…私のバックじゃあ少し小さかったから…」
さくらが手に持っていたのはこの間のノートだった。
「明日持って行くの?」
さくらは黙って頷いた。
「そっか、分かった!じゃあちょっと待ってね。」
私がクローゼットからバッグを探していると後ろからさくらに声をかけられた。
「理由…聞かないの?」
私はそのまま探しながら答えた。
「さくらがいつか話してくれるって言ってくれたからね、だから私は待つだけだよ、さくらを信じてあげる事。それが今の私に出来る事だし、ゆっくり待つよ。それに…明日になったらさくらは見せてくれるんでしょ?」
「えっ?なんで…」
「分かるよー!だって…私は貴女に支えてた騎士で、今は恋人であり、家族だもん!そのくらい分かるわよ!」
さくらの目から涙が出てきた。
「あり…がと…あかり…」
私は一旦手を止めてさくらの頭を撫でた。
「大丈夫!大丈夫だから!泣き顔よりも笑顔を見せて!その方がさくららしいよ!」
「うん!わかった。」
そういうとさくらは泣きながらも頑張って笑顔を作ってくれた。私はそれを見て再びバッグを探すのであった。
さくらはバッグの中に先程のノートと一通の手紙を入れていた。
いつ書いたのだろう?
「さぁ、そろそろ寝ようか、さくらも泣き止んだ事だし、ゆっくり休みなさい。」
「はーい。おやすみなさい。」
さくらは先に寝かせて、私は下へ降りていく。
「父さん、母さん、改めてありがとう!さくらの事、これからもよろしくお願いします!」
改めて私はお礼を言う。
二人は何を今更みたいな調子で返してきた。
「ふふふ、何を今更!困ってた子を助けてあげるのに断る理由なんてないでしょ?むしろあかりがしっかり成長出来ていて、母さんたちは嬉しかったのよ!」
「ああ、僕たちの子はしっかり成長出来ていた。これ以上に誇る事はないよ!これからもさくらちゃんを守ってあげなさい。あかりで無理なら僕たちを頼りなさい。それが家族なのだからね。」
(ああ…泣きそう…でも、ここでは泣かない!)
「ありがとう!お父さん!お母さん!」
私はそれだけ言うと二人のいる居間を後にした。
階段を上がってる時に涙が溢れた…初めてだった…嬉しくて泣いたのは…
「私も寝よう。明日のために。」
部屋に戻ってさくらを見た、顔に少しだけ涙の跡があったが、ぐっすり眠っている。私はそれをぬぐってさくらのくちびるに自分のくちびるを軽く重ねた。
「おやすみさくら、良い夢を。」
そうして、私も眠りについた。
体調崩して結局仕事を辞めました。
なので、次の仕事が見つかるまでは朝の9時と夜21時に投稿します。
もし、私の体調が優れない場合は投稿は致しません。申し訳ありませんが、ご了承下さい。
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




