第五十一話 さくらのノート
今回は少し長いです!
それでは本編をどうぞ!
私が起きると時計の針は9時を回っていた。
さくらはとっくに起きて母さんの手伝いをしてた。
「おはよー」
「はい、おはよー」
「おはよーお姉ちゃん!」
二人は私の挨拶にちゃんと返してくれた。
「あかり、朝ごはん食べたらまた勉強するんでしょ?」
「うん、火曜日のテスト範囲は今日中に終わらせておかないとね、明日は月曜日分を片付けたいし。」
「了解!じゃあさくらちゃんどうする?あかりと一緒に勉強する?それとも母さんと一緒に買い物行く?」
「うーん…お義母さんと買い物行きたい!」
「あらあら、嬉しいこと言ってくれるわね!じゃあ荷物持ちお願いするわね、お礼はジュースでいいかしら!」
「うん!やったー!」
さくらは無邪気に喜んでる。やはり偶には母親の愛情も欲しいのだろうか…
私にはまだそういうのは無さそうだ。
という事で、一人で勉強する事になったわたしである。
「ええーと、まずは物理からっと!」
私が物理の教科書を取ると下にはさくらのノートがあった。
(そういえば、さくらのノートの書き方は見たことないなー計算してるところはよく見るけど。)
私はさくらのノートを開こうとしたが、流石に気が引けたのでやめた。
(帰ってから見せてもらおう!)
という事で私は物理用語(電気)の暗記と計算の公式暗記と練習問題をやるのであった。
一時間後
「ふぅー物理はまぁこのくらいかな?次はなにをやろうかなー」
テストの時間割を見ながら次にやる教科を決める。
(次は生物かな?化学は比較的に余裕あるし…)
という事で生物の教科書に手を伸ばす。するとまたさくらのノートが出てきた。
(さくらのノートいくつあるのかしら…)
私はとりあえずさくらが使っているノートをまとめてテーブルの端に寄せた。
(さくらには悪いけど自分のノートと間違えない為に仕方なくである。)
「…後で謝っておこう。」
そして生物の暗記をしていたら二人が帰ってきた。
「「ただいま!」」
二人の声を聞いて私は部屋から出て玄関へ向かう。
「おかえりなさい。暑かったでしょ?」
「うん!でも、帰りにジュース買ってもらったよ!」
「そっか、そっか、よかったね!」
頭がそろそろ疲れてきたところだったからさくらの笑顔を見て少し回復した。
「あかり、少し休みなさい、アイスクリーム買ってきてあるからみんなで食べよ!」
「うん、ありがとう!」
渡に船である。私は少し休憩する事にした。
時計を見ると11時半である。
もうお昼だし、昼ごはん食べてから再開する事にした。
お昼を食べて少し休憩…
「さて、やろうかな!」
私は少し気合いを入れて勉強を再開した。
「あれ?私のノートは?」
「あっ!ごめんさくら!ノート私のとごっちゃになってたからさくらのノートはこっちに纏めて置いてるよ!」
「本当だ!ごめんなさい!ありがとう纏めてくれて。」
少し申し訳なさそうにさくらが言ってきたので
大丈夫だよ、とだけ言って勉強を再開した。
さくらは午前中にやってた私の練習問題の答え合わせをしている。
私は生物用語の暗記に勤しんでいた。
「お姉ちゃん…私のノート見た?」
少し真剣な表情でさくらがこちらを見ていた。
「えっ?見てないけど?見たかったけど流石に気が引けたからね。」
「そう、なら良いんだ…」
さくらはまた答え合わせに戻った。
少し不安がよぎったが、今は聞かない事にした。
後で、休憩の時に聞けば良いのだから。
そして一時間位過ぎた頃にさくらが「休憩しよう」と言ってきた。
私は少しキリが悪かったので「あと少し」と言って待ってもらった。
さくらはその間自分のノートを見ていた。それは他のノートに比べて少し古いノートの様だった。
15時20分休憩に入った
「あら、休憩?お疲れ様!少し待っててねホットケーキ作ってるから飲み物は各自セルフでお願い!」
「「はーい!」」
私たちは返事をして飲み物を持ってくる。
私はコーヒーを、
さくらは牛乳を、
そして母さんにもコーヒーを、
そしてホットケーキが出来たので取りに行くのであった。
ホットケーキを食べた後、さくらが散歩に行きたいと言い出した。正直そんな余裕はないのだが、さっきのノートの件もある事だし、散歩に行くことにした。
そして公園に着くとさくらはブランコに座る。
「あかり、さっき私がノートの事聞いてきた時違和感があったんでしょ?」
さくらが私の事をお姉ちゃんと言わず名前で読んできた事から結構重要だと分かった。
「うん、さくらが真剣に聞いてきたから何かあるのは察したよ!でも、踏み込んで良いか分からなかったんだ…」
「あかりは顔に出やすいからね、不安にさせた事がすぐにわかったよ。」
少し小悪魔な顔をして笑っているが、違和感しかなかった…
「あのノートはね、勉強の内容が書いてあるのがほとんどなんだ、そのノートは読んでも良いんだ…だけどね…」
そこでさくらは言葉を止めた。そして少しの間が空いて続けた。
「三冊だけ!これだけは読んで欲しくないの!」
叫ぶ様な悲痛なさくらの声が響いた。公園には私たち二人だけだ。だからさくらもここを選んだのだろう。
「それはあの少し古いノート?」
「そうだよ。あれはまだあかりにも…ううん、くみにも見せられないの!だから見ないで欲しい…二人にはまだ見せられないの…」
よほどの事なのか…
さくらがここまで拒否してきたのは初めてだったので私は呆然としていた。我に返り、さくらに質問した。
「分かったわ、さくらがそこまで言うのなら見ないよ…ただ一つ質問させて?」
「何?」
少し目が赤くなってる。よほど興奮してるのか…言葉も荒い…
「その三冊はいつか私たちが見てもいい時がくるの?」
「!…うん!見せれたら良いなと思ってる。特にあかり達には…知っていて欲しいから…」
少し驚いた顔をした後、いつものさくらの雰囲気に戻った。
「そっか、じゃあその時まで待つよ!さぁてと、そろそろ帰ろうか!」
「うん!帰ってまた勉強だね!」
「そうだね、さくらも手伝ってね!」
「うん!デートがかかってるから頑張る!」
そうして私たちは家へと帰るのであった。
少し長かったですね。お疲れ様でした!
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




