第四十四話 会議
少し遅くなりましたが投稿します!
それでは本編をお楽しみ下さい!
さくらが寝息を立てている。
ようやく落ち着いて眠ったようだ…
私は父さんと母さんにさくらの事を話した。
「なるほどね、さくらちゃんには確かに辛いと思うわ…」
「で、さくらの両親のお墓を探そうと思うんだけど、どの辺から探した方がいいかな?」
私は二人に提案を話す。
「うーん…たぶんあかりが探すより施設の人達に聞くのが早いかもな、父さんが明日にでも電話してみよう」
「それじゃあー遅いよ!母の日は明後日だよ!」
私は半ば苛立ちから父さんに当たってしまう…
「あかりの気持ちも分かる。だが、闇雲にさがしてもさくらちゃんの体力が持たないぞ。まだ病み上がりなのは分かってるだろ?」
「……」
何も言い返せない…父さんの言うことは正しい。だけど、じっとしておけないのだ。
「じゃあ、どうすればいいの?私は何をすれば…」
私の言葉を遮って母さんが答えた。
「さくらちゃんの側に居てあげなさい。あかりに出来る事は今はそのくらいだからね!」
「えっ?」
「そうだな、今のあかりに出来る事はさくらちゃんの側に居て、安心させてあげる事、それ以外にやる事はないな」
「私じゃ役に立たないって言うの…?」
怒りを抑えながら震える声で聞いた。
「馬鹿な事言いなさんな!さくらちゃんの側にいる事がどれだけ大切か分かってないの?さくらちゃんが一番安心できるのはあかり!あんたなのよ!あんたが無理して倒れたらさくらちゃんはきっと自分を責めるのよ!そこまで考えてから物を言いなさい!」
「…ごめんなさい…」
私は謝る事しか出来なかった…頭に血が昇り過ぎてた様だ…
「さくらちゃんの事が心配なのは分かる。だからこそあかりがしっかりしておかないとな!そして、ここからは私たち大人の仕事だ!あかりもまだ子供だ。だから、出来ない事は私たちに頼りなさい。家族なのだからな!」
父の言葉にようやく落ち着いた。
「分かった、ありがとう…じゃあ任せる事にするよ…その代わり来月の父の日までには間に合わせてね!」
「ああ、なるべく急ぐよ。」
父さんは優しく笑いかけて言ってくれた。
私はその言葉を聞くと部屋へと戻っていった。
「さて、どうしたものか…」
「えっ?ノープランなの?」
「いやいや、電話しても直ぐに分かるか分からないかもしれない…その場合市役所とかにも問い合わせなくてはならないからね。」
「あーそういうことね、」
「でも、あそこまで言った以上は何とかしてやりたいじゃないか、」
「ふふふ、忙しくなりそうね…」
「あー手伝ってくれるか?すみれ?」
「ええ、もちろんよ!大地さん!」
母さんが父さんの名前を呼んでいたのが聞こえた。トイレから出て父さんと母さんが何か話していた様だ。
ここだけの話、私の前以外では母さんは父さんの事を名前で呼んでいるのだ。
部屋に戻るとさくらが起きていた…
「お姉ちゃん…」
「あれさくら?起きてたの?」
「うん…」
「ごめん、うるさかった?」
私がさっき怒鳴ってたから起きたと思い謝った。
「ううん…何か寂しくなって起きたの…」
「一人じゃまだ眠れないんだね。」
「うん…ごめんなさい…迷惑だね…」
「迷惑じゃないよーごめんね、一人にさせちゃって…少し母さん達だ話してたの。さくらのご両親の事でね、」
「私のお母さん達…?」
「うん、さくらのご両親のお墓を探してくれるみたいだよ。でも、母の日には間に合わないから父の日までには探してくれるみたいだからさくらは私たちと準備しようか!」
「準備?」
「うん、お墓参りにさくらが作った物をお供えして元気でやってるよ!って所を見せよう。って事!」
「お姉ちゃんが手伝ってくれるの?」
「うん、もちろんくみもね!」
「うん、それなら私にも出来るね…」
「じゃあもう寝ようか、今日はもう私も寝るから安心して寝ていいよ。」
「うん、でも、その前に…」
「ん?その前にあかりお姉ちゃんのお義母さんの母の日しないとね。」
「あ…やばい!準備してない!明日用意しとかないと!」
「お姉ちゃんらしいね。私はカーネーション買う予定だよ!」
「えっ?さくらもう準備してたの?」
「うん、お花屋さんに頼んでるよ。お使いに行った時に少しずつだけどお花屋さんのお手伝いをして頼んでもらったんだー」
「さくらは本当に凄いね、私はすっかり忘れてたから明日なんとかしてくるよ。」
私は笑いながらさくらの頭を撫でる。
「さぁ、もう寝ようか、さくらも寂しかったら今日は私の布団に来てもいいよ!」
「うん!行く!」
そう言うとさくらは私の布団にやってきた。
私たちは手を繋いで眠った。
この手を離さない為にも、私は私に出来る事をやるのだ。さくらの笑顔を守る為に!
この章はそこまで長くはならないと思いますが、楽しんで頂けると幸いです。
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




