第二百五十話 幸せは永遠に (最終話)
お待たせしました。
それでは最終話をどうぞ!
さくらと出会って8年が過ぎた。私も今年で24になる。
「あかり、綺麗だよ。」
「ありがとう!」
「さくらちゃんとの式が終わったら私とも式をあげてね。」
「分かってる。そのあとはさくらとくみね。」
さくらも今ウエディングドレスを着て準備している。今のこの国では同性婚は認められていないので、形だけの式となったが、さくらのウエディングドレスが観れるのならあげる価値は十分にある。
「あら、馬子にも衣装ね。」
「あかり、綺麗だぞ。」
「母さん、父さん!来てくれたんだ。」
「当たり前よ!2人の晴れ舞台ですもん。来るに決まってるわ。」
「休んできた甲斐があったよ。」
「さくらにはもう会った?」
「ええ、とっても綺麗よ。友達のれんちゃん達が主導でメイクとかしてるわ。」
「さくらの友達は全員ファッション系の専門学校に行ってる
んだもんね。」
「それでもあの4人は仲が良いわよね。」
「まぁ。友達としての関係が変わる訳でもないからね。私たちの様に。」
「……そうね。」
「何よその間は!」
さくらは結局私立の中学には行かなかった。みんなと一緒じゃなきゃつまらないという理由で普通の中学へと進学、高校も4人仲良く進学した。
しかし高校では、さくらは大学で本格的に化学を学びたいと言い出した事からさくらだけ大学へ、3人は専門学校へと進学したのだ。
それでも遊ぶ時はしっかり遊んでいる4人だった。
「あかり様、さくら様がお待ちです。どうぞ広間に……」
館内の人に促され私は化粧室から出る。
みんなに見送られて私はさくらの待つバージンロードへと向かう。
「さくら……」
「あかり……」
「……綺麗だよ。」
「あかりもだよ。」
そうして私はさくらと腕を組んで扉が開くのを待った。
「あかり……」
「なに?」
「これからもずっと一緒だよ!」
「ふふふ。当たり前よ!」
私が応えた瞬間、扉が開いた。そしてバージンロードを歩いているといろんな顔があった。父さん、母さん、バレー部の先輩方担任の先生までも……
少し込み上げるものがあった。しかしさくらの手前泣くわけにはいかない。
するとさくらが私の肘をくいくいっと引っ張る。さくらの視線の先にはさくらの両親がいた。
『『お幸せに……!』』
そんな声が聞こえた気がした。さくらは目から大粒の涙を流していた。だから私はそっとハンカチを渡すのだった。
そうして僧侶の誓いの言葉が終わり私たちは誓いのキスした。
人生2週目にしてようやく初恋の相手と結ばれたのだった。
「あかり……これからも私の騎士様でいてね!」
「はい、お姫様!」
そうして今度はさくらが飛びついてキスをする。その瞬間チャペルが鳴り響いた。まるで私たちの結婚を祝福したかの様に。
そして60年後私たちは亡くなりました。戦争なんかではなく、天寿を全うして……
「あれ?ここは?」
「気が付きましたか?」
「あれ?私死んだんじゃあ……」
「はい!亡くなりましたよ。という事で、3周目です!」
「……はい?」
「次はあなたが妹としてさくらさんを見つけて下さいね。」
「ちょっと待って!それはそれで難易度高くない⁉︎」
「大丈夫ですって!直ぐに見つかるから!」
そう言われて私は再び意識を失った。
「さくら、起きて、さくら……」
その声に私は目を覚ました。どうやらまた生き返ったらしい。そして今度は私がさくらで年齢は6歳……全然見覚えのない場所で誰かが膝枕をしてくれていた。
「うわぁー、綺麗な人……って違う!行かなくちゃ!」
「さくらどこ行くの?」
「決まってるわよ!運命の相手を探しに!」
「あらあら、もう浮気しにいくの?」
その言葉にハッとする。もしかして……
「そんな女ったらしの悪い子はお仕置きしないとね。」
ニコニコ笑うその顔には前世のさくらの面影があった。
「もしかして……」
「うん、前世は雪乃さくら。今はあかりだよ!今度は私があかりを灯す番だからついてきてね!」
両手を広げて待っているさくらに私は飛びついてキスをした。
「今生もよろしくね!」
「こちらこそ!」
私たちの幸せはまだまだ続きそうです。
fin
ここまで読んでくれた皆様!本当にありがとうございました。本当はまだ書きたかったんですが、長々と続けるよりこっちの方が良いと判断しました。
もし機会が有ればまたこの作品を読みに来て下さい。
それでは9ヶ月間ありがとうございました。