第二百三十五話 道中
お待たせしました!
それでは本編をどうぞ!
私はお菓子を持って公園に向かうとえりちゃんがもう来ていた。
「ごめん、お待たせ!」
「ううん、今来たところ。じゃあ行こうか!」
「うん!」
私とえりちゃんは歩き出した。
「さゆりんとはどこで待ち合わせなの?」
「さゆりんは学校の近くにある公園で待ってるはずだよ。」
「学校の近くに公園なんてあったっけ?」
「さくらちゃんは知らないよね。学校のれんちゃんたちが出て行く方の門から少し離れた所に公園があってね。少し広けど、遊具がありすぎて狭く感じちゃうんだ。」
「へぇー、そんな公園があるんだね。」
「ここからだと歩いて20分位だから少し急ごうか。」
私は頷いてそのまま早足で公園に行くのであった。公園に着くと丁度同じタイミングでさゆりんが来ていた。
「あっ、2人とも早かったね。」
「さゆりんもナイスタイミングだったね。」
「私はこの近所だからね。直ぐに来れるんだ。」
「えっ、それ羨ましいんだけど……」
私は羨ましかった。学校まで近いというのはそれだけ魅力的に思えてしまったのだった。
「さくらちゃん羨みすぎ!でも、中学からは遠くなるから……それに、たぶんこうしてみんなと遊べるのも今日が最後だ……」
どこか遠くを見てるさゆりんは寂しそうだった。確かに頭もいいから勉強も出来てる。でも、そんなに簡単に受かるものでもないのだ。だって私もさゆりんのライバルになるのだから。
「何言ってるのよ。受験が終わればまた遊べるじゃん。そんな寂しい事言わないでよね。」
「そうだよ。確かに私とさゆりんはライバルになるけど、終わったらまた遊べるんだからそこまで寂しそうな顔しないで……」
「2人にそこまで励まされちゃったら元気にならないとね。ありがとう2人とも。」
少し泣きそうになっていたさゆりんだったけど、なんとか持ち堪えて笑顔を作ってくれた。
それから私たちは歩いてれんちゃんの家へと向かう。向かうが……
「さ、坂道キツくない?」
「れんはいつもこの坂を登って降ってをして来てたんだよ。そりゃー体力も人一倍よね。」
「凄い……でも、まだ着かないの?」
この中で1番体力のないのは私なので、先に泣きを入れると期待した答えとは別のものであった。
「まだまだ、ここを登り切って、あそこの曲がり角からまた坂道になっているのよ。ほとんど山の端に近い所にあるのよ。と言ってもあと10分もすれば着くから、頑張ってさくらちゃん。」
私はあと10分もこの苦痛と戦わなければならないのかと絶望するのだった。
着く頃には3人とも汗だくだった。冬なのに服を脱ぎたくなったのは初めてかもしれません。えりちゃんがインターホンを鳴らすと中からすぐにれんちゃんが出てくる。
「おおーいらっしゃい!早かったね。」
「れんちゃん……あなた……凄いね……」
私の邂逅1番にこの言葉をれんちゃんに言うのであった。そしてれんちゃんはなんのこっちゃという顔をしていた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
最近寒いので皆さんも風邪には気をつけて下さいね。
それでは次回更新もお楽しみに!