第二百十九話 お弁当
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
そこからは写真を交互に撮りあっていた。さくらもただ見てるよりこっちの方が楽しそうに見えた。
「見てみて、鴨がいるよ!」
「本当だ。写真撮っておこう。」
「ここって水が綺麗だから蛍とかいるの?」
「蛍ねー。確かいると思うけど、時期ではないわね。」
「じゃあ来年は一緒に行こうね。」
「ふふふ。そうね!」
私とさくらは来年の約束もしつつ、再び歩き出した。
歩いてるいると、結構散歩している人がいる。ランニングコースでもあるので、やっぱり誰もいないなんて事はないのだ。
「さくら、良い写真撮れた?」
「うん!みてみて、タヌキがいたよ。」
「そうなの。よかったわね。」
(なんでそんなのも見つけられるのよ……)
そんなこんなで、紅葉を見て周り駐輪場へと戻ってきた。
「時間的にいい頃合いだし、お昼にしようか?」
「うん、じゃあーあそこのベンチに座って食べよー。」
私たちは近くのベンチに座った。カバンからお弁当を出して食べ始めた。
「あっ、美味しい。さくらまた腕を上げたね。」
「ほんと⁉︎やったー!」
さくらは卵焼きを一つ食べてニコニコと笑っていた。褒められると相変わらずテンション上げて嬉しそうにするさくらは天使そのものだ。
「そういえば、さくらはもう火を勝手に使っていいの?」
「うん!お義母さんからは許可もらったよ。条件付きだけどね。」
「条件?」
「うん、家に私以外に誰かがいる事だって、誰もいない時に火事になったら大変だからだって。」
「なるほど、確かに上手になったとはいえ安全とは限らないものね。」
不確定な時は必ず保険をかけておくのが母さんのやり方である。まぁ、安全性を考えたら私か父さんか母さんが居たら初期消火とかも出来るものね。
私たちはお昼を食べていると散歩中の方がよく挨拶をしてくれた。やっぱりこういうところでは挨拶は基本で大事なのだと思い知らされる。
そしてさくらもしっかり挨拶をしている。ほんと、できた子だよ。
「じゃあお昼も食べたしまた少し散策してから帰ろ。」
「うん、でも、早めに切り上げた方が良さそうだよ。」
さくらの言葉に空を見上げると先程より雲が厚くなった気がした。
「雨……降りそうね。」
「レインコートは持って来てるよ。」
「さくらは用意周到ね。私は持ってきてなかったわ……」
「お姉ちゃんのもあるよ。忘れて行ってたから私が持って来てた。」
「……さくら、私よりさくらの方がお姉ちゃん向いてるよ……」
さくらの凄さにゲンナリする私であった。
「えへへ。ありがとう。でも、私はやっぱりお姉ちゃんの恋人兼妹がいいなー。」
「こんなダメな彼女でごめんなさい。私を捨てないでね。」
「捨てるわけないでしょー。私もお姉ちゃんがいないと困るからね。」
「ほんと相思相愛だね。私たち……」
「じゃないとここまで上手く行ってないよ。」
「ほんと、出来た彼女で助かります。」
私はさくらをぎゅーっと抱きしめるのであった。
写真撮影って結構楽しいのを最近気づきました。自分が撮られるのは嫌だけど、風景とかを撮るのは楽しい様です。新たな発見をしました。
それではここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新もお楽しみに!