第二百十三話 枕投げ
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
夕ご飯を食べた後、大浴場でお風呂に入った。広いお風呂に入るのは初めてだったので結構テンションが上がった。
えりちゃんとれんちゃんからいやらしい目で見られてたけど実際に何かされた訳ではないので、気にしない事にした。
「ふぅー良い湯だったー。」
「れんちゃんオヤジくさーい。」
「何言ってるの、温泉に入ったらタオルを肩にかけて牛乳飲むでしょ!」
「江戸っ子だね。」
「江戸っ子ね……」
なんかれんちゃんが男らしく見えた。私とえりちゃんは髪を纏めて頭にタオルを巻いて髪の水分を取っていた。
「そろそろ髪乾かしましょう。ドライヤー空いたよ。」
「うん、早く乾かさないと風邪引くからね。」
私たちは洗面台に備わっているドライヤーを使って髪を乾かした。
「さくらちゃんは乾かすの大変そうだよね。」
「うん、家ではアイロンもかけて手入れしてるんだ。じゃないとクシだけで寝癖が直らないんだ。」
「さくらも大変だねー……ん?という事は明日のさくらは寝癖が凄いの?」
「あはは……だから明日はみんなより早く起きて髪の手入れするよ。明日は自由行動だからね。」
「楽しみだよね。4時間だけど市内を遊べるんだから。」
「行きたい場所はたくさんあるから手早く回ろうね。」
「路面電車が使えるからそこまで急ぐ必要はないわよ。」
髪を乾かしながら明日の事を話していると、他の子が待ってあるのが見えたので私たちは残りは手早く済ませて部屋に帰った。
「よーやく戻って来れたわねー」
「全体行動はやっぱり疲れるよー」
「さくらちゃんは全体行動は苦手だよね、まだ中学、高校と続くんだから少し慣れないとね。」
「あはは……」
私もその辺は治していこうと考えてたけど、やっぱり直ぐには治らないんだよね。これから徐々に治せばいいよね?……いいよね?
「もう布団を敷いてくれてるんだね。」
「そうだよ。さくらちゃんお泊まりは初めて?」
「うん、初めて!」
私は部屋の奥に布団が敷かれてるのに驚いた。2人は当たり前の様な顔をしていてそれにも驚いた。
「ねぇ、枕投げしない?」
「枕投げ?」
「さくらはした事ないの?」
「うん、だってお泊まりとかないもの……」
「家の中でもやるけどなー、家でも偶にお母さんとやるけどね。」
「えっ、そうなの?」
「じゃないと枕投げなんてやらないでしょ?」
「それもそうか……」
妙に納得してしまう私だった。
「枕は3つ……1人1つだね。」
「どうすれば勝ちなの?」
「勝ち負けはないよ。最後まで立ってた人が勝ちよ。」
珍しくえりちゃんの目がマジだった……
「えりちゃん……怖いよー」
「おおーえりもマジだねー……じゃあ始めようか……枕投げを!」
「「おおー!」」
3人で手を上げてから開戦となった。
「うおりゃー!」
「そりゃー!」
「ちょっとー!なんで私に集中砲火⁉︎」
えりちゃんもれんちゃんも何故か私に枕をぶつけてきた。私は2つとも身体に当たった。だけど……
「2人ともよくもやったなー!」
私は枕を3つ所持する事になったので反撃した。
「絶対負けるかー!」
「そうよ!トランプでいつもさくらが勝ってるんだから今回は私が勝ーつ!」
(うわー、目がマジだよ。怖い!)
そしてこの戦いは先生が来るまで続き、3人揃って叱られるのであった。
お説教の後は毎日のルーティンをそれぞれしてその日は眠りに付いた。明日が楽しみだ。
修学旅行の定番はやっぱり枕投げですね。という事で定番をしっかりと押さえておきました。
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに!