第二百四話 幸せ
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ。
お風呂から上がって服を着て、私はさくらの髪を乾かしていた。
「さくらはアイロンかけてるよね?」
「そうだよ。かけないと朝のセットが大変だからね。」
「手入れはさくらの方が大変そうね。」
「お姉ちゃんも手入れ大変でしょー?私と同じくらい長いんだし。」
「そうなのよねー。だからショートにしようかなーって考えてるんだよね。」
「えー、勿体ないよ。綺麗な黒髪なんだし。」
さくらにそう言われると少し照れてしまう……
「でも、手入れ大変なんだよね。」
「うーん……私は切って欲しくないけど、お姉ちゃんが決める事だし、わがままは言えないなー。」
「まぁもう少し考えてみるわ。はい、乾いたわよ。」
私はさくらの髪が乾いたのを確認してドライヤーを止めた。
「今度は私がドライヤーかけてあげる!」
「そぉ、じゃあ任せるわ。」
私はさくらにドライヤーを渡して、さくらがかけやすい様に椅子に座った。
「やっぱりお姉ちゃんの髪綺麗だよねー。」
「ありがとう。本当はさくらを見つけるまでは切らないって決めてたんだけど。さくらが私のロングを気に入ってたから切らなかったんだ。」
「そうなんだ。じゃあこのままにしておこうよ。」
「あはは。そうだね。でも、手入れを天秤にかけるとね。」
「お姉ちゃんは私より煩わしさを取るのね……」
「こらこら、さっき言ってた事を忘れたのかな?」
「だってー、」
「はいはい、私も次に美容院に行く時まで考えるから手を動かして。」
「はーい。」
さくらは膨れっ面をしながらもテキパキと私の髪を乾かしてくれた。
「はい、終わったよー。」
「うん、ありがとう。」
私は椅子から立ち上がると喉が乾いていたのでそのまま台所へ向かった。さくらはそのまま髪にアイロンを当てていた。
「さくらもなんか飲む?」
「じゃあ牛乳欲しい。」
「氷は入れる?」
「流石に要らないよー。もう寒いもん。」
私はコップを2つ取り出すとそれぞれ牛乳をいれる。私の分には氷を入れた。
「さくらー、テーブルの上に置いておくよ。」
「はーい、ありがとう!」
声だけ聞こえて足音が聞こえないところをみるとまだアイロンをかけてるらしい。なので私は牛乳を飲みながら待つ事にした。
「お姉ちゃんありがとう。頂きます。」
さくらはお礼を言うとコップに入ってる牛乳を一気に飲み干した。
「ふぅー!ごちそうさま!」
「あはは。口に牛乳ヒゲがついてるよ。」
私が指摘すると、さくらは少し顔を赤くして顔を洗ってきた。
「さくら薬塗らないと。」
「分かってるよ。あざが残ったままお姉ちゃんのお嫁さんにはなれないもん。」
そう言うと薬を頬のあざになってる部分に薄く塗っていく。私はというとさくらのお嫁さんという言葉に悶えていた。
「さくら、今幸せ?」
「何を急に……?」
「いいから、幸せなの?」
「うん、幸せだよ!」
「そっかー……」
「なんで落ち込むのよ⁉︎」
私を心配してさくらが近づいてくる。
「いや、私はこれ以上にさくらを幸せにしないといけないと思うとプレッシャーが……」
「……あはは!そんなにプレッシャーないでしょー?」
「なんでよー!今幸せで私たちだけになって不幸にしたらと思うと怖いじゃん。」
「私はお姉ちゃんと一緒ならどこでもいいのよ。だから今も幸せなんだから。」
「そうなの……?」
「当たり前でしょー。本当お姉ちゃんは分かってないなー」
ニコニコと笑いながらさくらは私を抱きしめた。
「これからもよろしくね……」
耳元で囁く様にさくらに言われてドキドキした。
そしてそうこうしていると母さん達が帰ってきた。
(危なかった……今の流れは確実にヤバかった。)
私は母さん達が帰ってきた事に感謝していた。
一方さくらは悔しそうにしていたのだった。
次回からは文化祭の話をします。短いですが、久しぶりのキャラも出るのでお楽しみに!
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに。