第二百二話 合唱コンクール
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
その後、あの教師はは逮捕された。校長も教育委員会により辞任させられた。
さくらはというと、目を覚ました次の日に検査を行ったが異常はなかった。あざは全治2週間と診断された。れんちゃんも同じく全治2週間の診断を受けた。さゆりちゃんも特に異常はなかった為次の日には退院した。
そして今日はさくら達の学校の合唱コンクールである。もちろんさくらも退院して出席している。
「懐かしいなー。小学校の合唱コンクールってなんかワクワクしちゃう。」
私は保護者席ではしゃいでいた。
「あかり、少し落ち着きなさい。もうすぐさくらちゃん達の番だから。」
「分かってるわよ。でもさ、元気に歌ってるのがやっぱり1番よね。」
「それはそうよ。暴力とかで制圧してやらせるなんてもう古いのよ。」
「母さんがそれ言う……」
私はジト目で母さんを睨んだ。何故なら母さんのしごきは技を受けて身体で覚えろなのだから……
「私は愛情込めて教えてます。それにあかりにはあの教え方が1番合ってたじゃない。」
「それはそうだけど……」
そう……私は言葉で説明されても分からなかったのだ。だから母さんはとりあえず私に技をかけて身体に染み込ませたのだ……
「その点さくらちゃんは飲み込みが早くて助かるわ。しっかり受け身の練習もしてるみたいだし。」
今聞きずてならない言葉がでてきた。
「ちょっと待って!いつの間にさくらに稽古つけてたの⁉︎」
「えっ、9月の終わりくらいからよ。まだ受け身の練習と体力アップしかさせてないから言ってなかったのよ。」
「そ、そうなのね……」
私の知らないところでさくらが稽古を受けていたので私は驚いた。
「それにしてもさくらちゃんあかりに言わなかったの何故かしらね?」
「たまーにさくらはサプライズしてくるのよね。しかも前触れもなく……」
「確かに、さくらちゃん隠れてコソコソ計画してたり努力するものね。特にあかりにはね。」
「さくらなりに成長した姿を見せたいんだと思うんだ……さくらって褒められるの好きだからさ。出来なかった事が出来るとすぐに報告してくれるのがその現れなんだよね。」
私が話していると母さんが目を丸くしていた。
「な、何よ……」
「いや、あかりがここまで他人に対して雄弁に語ってるの初めてだから驚いたのよ。」
「そりゃー好きな子ですから……」
「ふふふ。それもそうね。ほら、その好きな子が出てきたわよ。」
母さんの言葉に私は前に目線を向けるとさくらが入場してくるのが見えた。
ここからは黙って聞く事にしようと思う……
パチパチパチパチ……
会場から拍手が送られて生徒達は退場して行く。
「良かったわね。」
「うん、さくらもピアノ習わせてみる?」
「あら、いいかもね。でもそれはさくらちゃんが決める事よ。」
「分かってるわよ。無理強いはしない。父さんも母さんもそういう考えだもんね。私もその方が良いと思うわ。」
そんな話をしながら私たちも会場を後にした。
さくら達の教室に向かうとホームルームが行われていた。母さんはえりちゃんのお母さん達と話をしていた。
そうしてホームルームが終わるとさくらは私を見つけて走って来る。
「ただいま!どうだった、私の歌声聞こえた?」
満面の笑みで来るのだから「もちろん」と答えて頭を撫でてあげた。
「さくらはピアノとか習いたい?」
私は無意識にさっき話してた事をそのままさくらに聞いてしまった。
「ピアノか〜……んーいいかなー楽しく弾くなら良いけど練習までしたくはないかな。」
「あはは。そっかそっか!じゃあ帰ろうか。母さんが何か奢ってくれるってよー」
「ほんとー、やったー!」
私はさくらの手を繋ぐと話していた母さん達のところへ移動するのだった。
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次回更新は木曜日の21時です。お楽しみに!