第百九十七話 怒りの目 2
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
「あっ、父さん」
私が病院に戻ると父さんが来ていた。
「あかり、明日カチコミに行くよ!」
「カチコミって……ヤクザじゃないんだから……さくらはまだ眠ってるの?」
「うん、もう起きてもいいんだけど……」
「頭を強く打ってるんからな……今日は交代で起きてさくらちゃんを見ておこう。」
父さんの言葉に私と母さんは頷いた。
「MRIの検査はどうだった、内出血とかは起こしてなかったかい?」
父さんの質問に母さんは検査結果を父さんに見せていた。
私も検査結果を見てみると……
「「異常なし……よかったー。」」
父さんと同じ事を言って私は安堵するのであった。
「明日も検査するみたいよ。起きないと分からない事もあるみたいだからね。」
「ところで父さん、母さんはカチコミかけるって言ってるけど話にならなかったの?」
「ああ、校長があれほど腐った人間だったとは思わなかったよ。明日は僕がさくらちゃんの側にいるから2人は暴れて来ていいよ。話をして通じないのなら実力行使しかないからね。」
こんな事を言う父さんも珍しい。基本的に母さんを抑える側の父さんが言うのだからよっぽど怒っているのだろう。無口で感情を表に出さない父さんだからこその怒りなのだと思った。
その夜は3時間交代で私たちはさくらを見守ったが、さくらが目を覚ます事はなかった。
次の日の朝……
「じゃあ行って来ますね。」
「父さん、さくらの事頼んだわよ。」
私たちは木刀を父さんのゴルフバックの中に仕舞い込んで病院を出るのであった。
その頃小学校にて……
「さくらちゃん大丈夫かな?」
「2、3日は入院だって言ってたから来週まで会えないかもね……」
「私たち……さくらちゃんを助けてあげられなかったね……」
えり、れん、さゆりの3人は沈んでしまった。
「ねぇ、さくらちゃんそんなに不真面目だった?」
「見えるわけないじゃん。真横ならともかく結構離れてたし……」
「私も分からないわ。もしよそ見とかしたらまた怒られるって分かってたもん。」
「そっか。私も壇上の1番上だから見えてないんだよね……」
さゆりの疑問にえりもれん分からないという回答だった。
でも……
「さくらは愚痴は言ってもサボる様な子じゃないよ。」
「そんな事みんな知ってるわよ。」
「そうね。昨日昼休みに散々言ってたけど、サボる様な子じゃないわ。それじゃあ隣で歌ってた子に聞きに行きましょうか。そうね。証言が取れれば直談判に行けるし!」
という事でさくらの隣で歌ってた2人に聞き取りをしてみた。
「雪乃さん?ええ、普通に歌ってたわよ。なんであんな矢面に立たされたか分からなかったわ。ふざけてもなかったし、声は綺麗だから雪乃さんの隣で歌ってると上手くなった気になるのよ。」
さくらの隣で歌っていたクラスメイトからは簡単に証言が取れた。もう1人の隣の子も同じような事を言っていた。ただやはりあの先生の前で証言はしてくれなかった。次は自分がああなると分かっているからだ。
「やっぱりあの先生の前で証言はしてくれないかー……」
「仕方ないわよ。そこまで無茶は言えないもの。」
「そうね。あの先生柔道や空手、レスリングもやってたそうよ。」
「うぅー……怖いけど、さくらちゃんをあんな目に合わせておいて黙ってはいられないよ。」
「えり、よく言った!じゃあ行こうか!」
「ええ!職員室に!」
こうして3人は職員室に乗り込むのであった。
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