第百八十七話 ホットミルク
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
椅子に座って待っているとお義母さんがホットミルクとドーナツを持ってきてくれた。
「ありがとう…」
(夏にホットミルク……)
「ふふふ。夏なのになんで温めたのか分からないでしょー?」
「なんでわかるの?」
「そりゃークーラーが入ってるとはいえ、熱い飲み物をもってくれば初めての人は疑問に思うもの。」
「じゃあなんで…?」
「あったかい飲み物って心を落ち着けるのよ。はい。」
私の前にホットミルクを置いてくれた。少し冷まして一口飲んでみる。
「あつっ!」
「ちゃんとフーフーしないと熱いわよ。」
そう言いながらフーフーしてコーヒーを飲んでいた。
私もしっかりフーフーして冷ましてから飲んだ。
「ふぅーなんか落ち着く…」
「でしょ、それで何をもやもやしていたの?」
「分からないの。昨日遊んでもらってたんだけど、みんながお姉ちゃんと遊んでいたのを見ていたの、最初はなんとも思わなかったんだけど、なんかみんながお姉ちゃんの事をお姉さんって呼んでたらなんかもやもやしちゃったんだよね。」
「なるほどね。さくらちゃんは友達に嫉妬しちゃったのね。」
「えっ?嫉妬?」
「さくらちゃんに分かりやすく言うならやきもちだね。」
「やきもち……」
(なるほど…)
なんとなく納得している私がいた。
「でも、くみお姉ちゃんの時はそんな事思わなかったよ。」
「それはね、さくらちゃんとくみちゃんは全然違うもの。」
「違うの?」
「ええ、歳の差があるし、趣味も違う、それじゃあ競えないでしょ?嫉妬ってね実力が上の人にする事なのよ。今回は同じ年でそれでさくらちゃんより仲良くしていた。それは彼女のさくらちゃんにとっては面白くないわよね。」
「面白くなくはなかったの。でも…」
「分かってるわよ。ただ恋愛してる仲であれば気持ちは変わってくる。」
「……どうしたらいいのかな?」
私はこのままもやもやするのが嫌なので答えを聞いてしまった。するとお義母さんは頭を撫でながら答えてくれた。
「ふふふ。そのままでいいのよ。」
「えっ?」
「人はね恋をすると何故か好きな人が誰かといるのが許せなかったり、自分のものだけにしたくなるの。独占欲ってやつね。」
「そうなんだ…」
「でも、それを自制心で抑えなくちゃいけないの。さくらちゃんはまだそれが出来ていないけど、暴走はしていないから大丈夫よ。私なんてあの人をストーカーしてたくらいなのよ。」
「えっ……」
衝撃的な事を聞いて私は驚いた。
「もし、さくらちゃんがまた苦しくなったら私やあかり、お父さんでもいいわ。話して頂戴。1番いけないのは溜め込んじゃう事なんだからね。」
「……分かった。」
「よろしい!」
お義母さんはそれだけ言うと再び私の頭をわしゃわしゃと撫でまわした。
「やきもちか……」
話して確かに気持ちが楽になった。そして自分もまた醜い部分がある事も知った。それでも、これで明日みんなとギクシャクする事は無さそうなので良かったと安堵した。
夏休み最終日この夏1番の成長が見られたさくらであった。
温かい飲み物を飲むと落ち着きますよね。私は作中に出たホットミルク派です。皆さんの心が落ち着ける飲み物なんですか?
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は10月20日水曜日21時からにします。帯状疱疹がまた出たので2日間休載します。ストックはあるのでもし体調が戻らなければ水曜日の後書きにてご報告します。楽しみにしてくれてる方々本当にすいません。2日間少々お待ち下さい。
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「神様からの罰は幸せになる事⁉︎」が現在20話目まで投稿しております。もし興味のある方は休載期間中こちらをお楽しみ頂けると幸いです。
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