第百七十五話 下見
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
「確かに、さくらにも自転車が必要ね…」
お昼を食べながらさっき言われた事をお姉ちゃんに話した。
「じゃあ見に行ってみる? お昼食べ終えたら。」
「えっ、いいの?」
「必要な物だからね。早めがいいわよ。」
「まぁ、見に行くだけだもんね。」
という事で、お昼を食べ終えた後食器を片付けて着替えてから近くの自転車屋さんに向かった。今日はお義母さん達が居ないから見て回るだけだが、ある程度は決めておきたい。
「なかなか…遠かったね…」
「歩いて40分もかかるんだね…」
雨が降って蒸し暑いのも合間ってなかなかに体力を削られたのである。帰りはバスで帰りたい…
「とりあえずお店に入ろうか。」
お姉ちゃんに促されてとりあえず中へ入る。
「いっぱいあるね。」
「うん、そして高いね…」
値段を見ると2万円代ばかりだった。なかなかお財布に厳しいと思った。安くても1万円弱…確かに家に1台あれば良いのかもと思えてしまう。
「さくらの身長だと、ママチャリは大きいかな?」
「流石にそんな事ないよ。最近少し身長伸びたんだよ。」
「そういえば確かに私の顔との距離も縮まった様な…って背伸びしてれば高く見えて当然でしょうが!」
私はプルプルと震えていたので違和感があったらしくつま先立ちしてたのがばれてすぐに元の身長に戻された。
(ぐぬぬ…)
「全くもう。でも確かに身長は伸びてるね。」
「でしょ!だから大丈夫だよ!」
「とりあえず、試しに跨ってみて。それで足が地面に届くならそれでいいよ。」
「分かったわ。」
私は自転車に跨って足が着くか確認した。
「えっ、届かない…」
私は地面に足が着かずに焦った。そんなに私って小さいの?私がオロオロしているとお姉ちゃんにトントンっと肩を叩かれる。
「さくら…サドル高いなら下げたら…」
笑いを堪えながら私に助言をしてくるお姉ちゃん…少しムッとするがそれでもお姉ちゃんは笑いを堪えていた。
とにかく、私はサドルを下げて再び乗ってみる。
「うん、これなら大丈夫かも!」
「そう。じゃあそれくらいの大きさにしようか。」
とりあえず大きさに関しては決まった。あとは値段だ。
「まぁ、今日はまだ買わないからさ、帰って検討しよう。」
「そうだね。それじゃあもう少し見て回って良い?」
「いいよ。でもあまり長くは居られないよ。母さんにさっき連絡して迎えを頼んだからね。」
「分かった。」
私はぐるっと一周回って値段とかを見て回った。一通り見て回ったらお姉ちゃんのところに戻る。
「あら、もういいの?」
「うん、行こう。これが欲しいみたいなのはなかったからね。」
「そうなんだ。じゃあ喫茶店で待ってようか。母さんももうすぐくるからね。」
そこから近くの喫茶店に入ってお姉ちゃんはコーヒーを、私はオレンジジュースを飲んで待っていると。30分位してお義母さんがやって来た。
「2人ともお待たせー!」
「そこまで待ってないよ。」
お義母さんは私たちのテーブルに来て私の隣に座った。
「それでいいのはあった?」
「あるにはあるけど高いよね。」
「どのくらいよ。」
「2万代。」
「高いけど、そんなもんでしょー。いいわ。次の休みの日にでも買いに行きましょう。」
「えっ!そんな簡単に決めていいの?」
「いいわよ。どうせ必要なんだからね。」
「やった!お義母さんありがとう!」
私はお義母さんに抱きついた。
「はいはい、お店では静かにね。」
「はーい!」
返事はするものの。かなり浮かれている私であった。
初めて自転車を買って貰った時はやっぱり嬉しかったですよね。
なかなかに高価な物だから手も出しにくいのですが…
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに!




