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第百七十二話 心配

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「じゃあ、さくら行ってくるね」

「うん、いってらっしゃい!」


お姉ちゃんは部活に行ってしまった。今日は雨が降っているので傘をさして行った。

(夏休みもあと少し…やる事は片付けてしまおう。)


まずは掃除だ。最近部屋の掃除をしてなかったから本は本棚に、服は箪笥(たんす)へ直した。お姉ちゃんの服も直しておく。そして、ノートも国語、算数、理科、社会と纏める。使い切ってる物は本棚へ直す。

こうしてみると、私の物ばかりだ。直す癖をつけようと思う。


(えりちゃん大丈夫かな?)


昨日の今日だから流石に心配だ。お姉ちゃんから大丈夫だと言ってたけど…後で電話してみよう。

そう思うさくらであった。


10時半過ぎ、私はえりちゃんに電話した。


「もしもし、私三沢えりさんの友達の…」

「さくらちゃんね、ちょっと待っててね、えりと変わるわ。」


もう声で解られてるらしい。少し待つとえりちゃんが出た。


「もしもし、さくらちゃん?」

「もしもし、えりちゃん、あの後大丈夫だった?怖い夢とか見てない?」

「大丈夫よ、怖かったけど無事だったんだもん。それにお母さんがずっと一緒に居てくれたから。もう大丈夫よ。」

「ごめんなさい…私がもっと強かったら…えりちゃんを守れたのに。」

「さくらちゃん…そんな事ないよ!私を守ろうとしてくれたじゃん!誰にでも出来る事じゃないよ。私の方こそ、さくらちゃんの後ろにいるしか出来なかったから…」

「えりちゃん…」

「次は、さくらちゃんを守れる様に私は、強くなるから!」

「私も!えりちゃん達を守れる様に頑張る!」

「じゃあお互いに…」

「ね…!」


私とえりちゃんは笑い合いながら強くなる事を約束した。


「それでさ、話変わるけど、れんちゃんたちに電話した?」

「あっ!してなかった。」


えりちゃんに言われて思い出した私だった。


「完全に忘れてたよね。私もさっき思い出してね。どうする行く?」

「行きたい!夏休みに友達と遊んだ事ないもん!」

「そ、そうなの。じゃあ電話して聞いておくね。さくらちゃんはれんちゃんにお願い。私はさゆりんに聞いてみるから。」

「りょーかい!じゃあ一旦切るね。」

「りょーかい、じゃあまたねー」


なんだかんだで10分くらい話していた事に少し驚いた。

でも、遊びに行きたいかられんちゃんにすぐ電話した。


「もしもし、本田さんのお家ですか?」

「あ、さくらじゃん!どうしたの?」

「あのね。遊びに行かない?前に行ってた公園に行きたいの。」

「さくら、今はやめとこう。昨日2人が変質者に襲われたの連絡網で回ってきてるよ。」

「えっ、そうなの?」

「さくらは当事者なんだからもう少し気をつけなよ。何かあってからじゃ遅いんだからね。」

「ううー…やっぱり昨日の一件は大きいのね。」

「そうね。私たちは大丈夫だと思ってもお母さんたちはやっぱり心配するからさ。大人しくしておこう。」

「分かった…残念だけど諦める。」

「あー!でも、親のいる家で遊ぶのなら大丈夫かもだから。それならOK貰えるかも。」


受話器を置きかけた時にれんちゃんからの一筋の希望が聞こえた。


「ほんと?」

「まぁ、聞いてみないと分からないけど、でも、このまま夏休みが終わるのは勿体ないもんね。」

「分かった、じゃあ私、えりちゃんにまた連絡してみる。」

「うん、じゃあ私はさゆりんに話してみるわ。」

「さゆりんにはえりちゃんが話してるよ。」

「だから、今話した内容を私からさゆりんに伝えておくのよ。」

「そっか!じゃあお願い。」

「任せておいて!」

私は受話器を置いて、再びえりちゃんに電話をかけるのであった。

いつも読んで頂きありがとうございます。10月が始まりましたね。


またひとつ季節が進みます。ご自愛ください。


それではここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!

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