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第百六十七話 憂鬱

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「あー、休みがもうすぐ終わるなー」

「お姉ちゃんさっきからそればっかり言ってるよ」


ランニングを終えて、空を見上げてみたら夕日が見えたのだ、そして何故か憂鬱になってしまったのだ。


「もぉー、憂鬱なら私と遊んでよー!」

「やだよー、今さくらと遊んだら余計に憂鬱になっちゃうでしょ。」

「明日から私に会えなくて寂しいから?」

「さくらと遊んでたら、私がぼろ負けして憂鬱になるのよ。」

「ムー…じゃあ何か食べる?」

「えー何かあったっけ?」

「おせんべいくらいならあったよ」

「…今はせんべいの気分じゃないなー」

「んー…じゃあ!」


さくらは私の隣に来て私の肩にもたれか座った。


「な、なんで?」

「ここにいるから早く元に戻って!」

「うん、ありがとう…」


上目遣いでさくらが私を見てくる。めちゃくちゃ可愛い。

私は今猛烈にさくらを抱きしめたいけど、それをしたらこの至福の時をが終わってしまう。なのでもう少し待ってから抱きしめようと思った。


……

………


「ねぇ、まだー?」

「うーん…もうちょっと。」

「もう、10分以上だよ!いい加減暑いよー」

「うーん。じゃあ後5分。」

「もぉー…」


そうして、さくらは不満を言いつつも私のわがままを聞いてくれて、頭を撫でてくれた。このまま眠れたらめちゃくちゃ幸せだろうと思った。

だけど、世の中そんなに甘くなく、さくらは母さんに呼ばれるのであった。


「さくらちゃん、夕飯の準備手伝って!」

「はーい!じゃあお姉ちゃん、私行くね。」


私も知らぬ間にさくらに寄り掛かっていたのでバランスを崩して床に倒れるのであった。


(うぅ…私の至福の時が…)


私は起き上がってさくらの後を追うのであった。

一階へ降りるとさくらは早くもサラダを作っていた。


「私は手伝わなくていいの?」

「あかりは明日の用意しときなさい、いつも朝になってバタバタしてるじゃない、終わったらテーブル片付けてお皿並べて置いて。」

「はーい。」

という事で、明日持って行くもの。タオルと着替えの準備をしておく、水筒は明日準備しておくとして、後は財布もだ、300円位有ればジュースが買えるからこのくらいでいいのだ。


鞄に持って行くものを入れると玄関の棚に置いておく。後は明日水筒を入れれば準備完了だ。

そこからはテーブルを拭いて、お皿を並べて、お湯を沸かしてお茶を入れる。


「はーい、出来たよ。」

「おおー。今日は天ぷらなんだ!」

「夏野菜の天ぷらよ。さくらちゃんに仕込む為にね、次はさくらちゃんにもやらせるからね。」

「はい!頑張って覚えます。」

(この2人も本当の親子みたいだなー…)

何も知らなければ本当の親子に見えてしまうほどに馴染んださくらを見て、あの時会えてて、本当に良かったと思えたのであった。


夕飯を食べてお風呂に浸かって適当に時間を潰していたら23時を回っていた。

「そろそろ寝るよ、さくら。」

「うん、じゃあ寝る。」

そういって私たちは自分の部屋へと戻った。


私が布団に入ると、さくらも私の布団の中に入ってきた。

「なーに?1人で寝られないの?」

私は悪戯っぽく言うとさくらは真面目な顔をして言ってきた。

「夕方の続き、まだ5分残ってたから。」

(何この可愛い生き物は…)

「じゃあお言葉に甘えて甘えさせてもらう。」

私はさくらに抱きついて眠ることにした。暑いけど、それでも今はさくらを離したくなかった。

私はさくらの顔を見ると何か物欲しそうにしている。


「さくら、どうしたの?」

「キスして!」

「…えっいきなり?」

「ここまでしといて生殺しにする気?」

「…分かったわよ。」

私は布団の中に潜ってさくらのくちびるにくちびるを重ねた…

そして、何度かキスをしているうちに私たちは寝てしまっていた。

なんだかんだで楽しい一日でした。

休み終わりの夕方はなぜか物悲しいですね。

大人になってもこればかりは治らないです。


それではここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!

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