第百六十三話 再会
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
夕ご飯を食べた後、お風呂に入って本を読んでいたら急に眠気がきた。なので私はお姉ちゃんより先にお布団に入った。
そしてそのまま眠ってしまった。
気がつくと霧のかかった場所にいて、霧の向こうに2つの人影が見えた。
(誰だろう…)
私は気になって前へと進んだ。
「…お母さん?」
人影がはっきりしてくるとその人影がお母さん見えた。という事は隣は…
「お父さん…?」
もう少し進んでみるとより顔がはっきり見えた。そして…
「やっと会えたわね。」
「久しぶりだな、さくら!」
「お父さん、お母さん!」
私は2人に飛び込んだ。そのくらい嬉しかったのだ。
私は2人の腕の中で泣いていた。それと同時にこれが夢だと分かってしまった。
「さくら大きくなったわね。」
「今は12歳だな、お前には苦労をかけたね。」
「うん…でもいいの。そのおかげで今は幸せに暮らせてるから。」
私は目を擦りながら2人の顔を見た。あの時のまま…写真と変わらない優しい2人の顔に私は安心感を覚えた。
「さくらの事はあなたの彼女から沢山聞いたわ。良いお嫁さんを捕まえたわね。」
「えへへ。でしょ!」
「ああ、父さんもあの子にならさくらを任せられると思ったよ!」
「お姉ちゃんはね、強いんだよ!剣道や空手や柔道も出来ちゃうんだよ!カッコいいでしょー」
「そうなの?お父さんより強いかもねー」
「はっはっ!もし生きていたら手合わせしたかったな。」
「えっ?お父さんも剣道や柔道やってたの?」
「お父さんはね、剣道が強かったのよ。それこそ全国大会にも出た事あるんだから!」
「へぇー、私知らなかった!」
「そりゃーさくらに教える前に2人とも死んじゃったからね…」
「ごめんね、さくら。あなたに何も残してやらなくて…」
「ううん…謝らないで、私は今もこうして生きて好きな人と一緒に居られるのは2人が私を産んでくれたからだもん。」
私は一度溜めてから言葉を続けた。
「お父さん、お母さん、産んでくれてありがとう!」
私は泣きながらようやく2人に言いたかった事が言えた。
「さくら…」
「本当、僕たちの娘は立派に育ってくれてるね。」
「お父さん達もうすぐ帰るんでしょ…?」
「そうね。いつまでもここにいる訳にもいかないからね。」
「次はいつ会えるの?」
「また来年お盆に来るわよ。」
「ああ、きゅうり馬に乗ってな、」
「ナス牛も忘れずに作ってよ。帰れなくなっちゃうからね。」
「はーい!また来年もお姉ちゃんと一緒に作って待ってるから、だからまた会いに来てね!」
「ああ、約束だ。」
お父さんは小指を出してきた。なので私も小指を出してお父さんの小指に絡める
「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます!指切った!」」
お決まりの約束の仕方で約束した。
「さてと、そろそろ行かないとね。」
「ああ、お礼参りに行かないとな。」
「お礼参り?」
「さくらを虐めてた奴らにお礼をしに行くのよ。」
「ああ、たっぷりとやってくれた分を返さないとな。」
「い、行ってらっしゃい…」
私は両親が少し怖くなりました。
目覚めるとまだ午前3時でした。隣ではお姉ちゃんがぐっすり眠っていました。私はお姉ちゃんのおでこにキスをした。
「これからもよろしくね。」
という意味を込めて。
そして再び眠りにつくのでした。
お盆ネタを持ってきた以上、さくらとも合わせないといけませんよね。実はこっちが書きたくてこの話は作りました。
楽しんで頂けてたら幸いです。
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに!




