第百六十ニ話 夕立
おまたせしました。
それでは本編をどうぞ!
昼寝から起きると空が暗くなっていた。夕立が降りそうだから、さくらはまだ眠っていたのでそのままにして2階の窓を閉めにいった。
2階に上がる途中にゴロゴロと雷の音が鳴った。私は急いで2階の部屋を閉めて回る。閉め終わるとほぼ同時に雨がけたたましく降り出した。
(間に合ってよかったー)
もう一度部屋の窓を確認した後、私はさくらの元へ戻った。
戻るとさくらは起き上がっていた。
「あ、起こした?」
「んー…起こしたというより起こされたかな雷に。」
「さくらは雷が怖いタイプ?」
「うん、まぁ怖いかな。でも家の中でなら大丈夫だよ。」
「家の中なら大丈夫だもんね。でも、安全の為に電化製品から離れておいてね。」
「うん、わかった。エアコン大丈夫かな?付けっぱなしだけど。」
「うーん…」
消すか消さないか少し迷って
「消したら暑くなるけどどうする?」
「……消したくないね、」
「消さないでおこう…」
「うん…そうしよう。」
まだそこまで雷が鳴っていなかったのでエアコンは付けたままとなった。
30分後…
「止まないね…」
「止まないねー」
2人で窓の外を見ながら雲行きを見ていた。
「さくらトランプ持ってきて、遊んでいればその内止むでしょ。」
何もしないよりかマシかと思いさくらと遊ぶ事にした。
更に30分後…
「ただいまー、凄い雨ね。」
雨の中母さんが帰ってきた。
「おかえりなさい。」
「おかえりー雨凄いでしょ、濡れてるなら先にシャワー浴びて来ていいよ。さくらと夕ご飯作るから。」
「あかりは何もしてないでしょ!さくらちゃん任せて良い?」
「うん!もちろん!」
「じゃあお願いしようかな。さくらちゃんお願いするね。あかりはしっかりさくらちゃんを見ててよ。」
「はいはい、任せて!」
母さんはそう言うとお風呂場に向かった。
「それじゃあさくら、何作る?」
「うーん…鮭があるから鮭焼こうかなー」
「じゃあ、塩焼き?」
「うん、後は味噌汁ね。」
「じゃあ私は何すればいい?」
「そうだねー…」
という事でメニューも決まって、さくらに役割を振られて下準備をする。
その間も雨は降り続いていた。
「味噌汁出来たよー。」
「おおーもう出来たの?早かったね!」
「うん。後はご飯がまだ炊けないから炊ける10分前くらいから鮭は焼こうかな。」
「私もそろそろ料理作れる様になりたいなー」
「お姉ちゃんは調味料の使い方が荒いんだよね。包丁の使い方はうまいのにね。もったいないなー…」
2人で話しているとシャワーから戻ってきた母さんが話に入ってきた。
「あかりはねー昔から教えてたんだけど、それでも味付けが濃過ぎてね。たぶんあかりが濃いめの味が好きだからなのもあるんだと思うけど…」
「そういえば、くみお姉ちゃんから聞いた事あるけど味付けさせたら凄いものになったって言ってたよ。」
「包丁の使い方は上手いんだけどねー…勿体ないのよね。」
さくらと母さんが私の事を評価してくれてるけど、2人とも私以上に私を知ってる事に驚いた。
「2人とも私の事知り過ぎじゃない?」
「親なら当然でしょ。」
「妹兼彼女だから当然でしょ。」
「…2人とも怖いよ…」
そんな話をしていたらご飯が炊けた。後は鮭を焼くだけだ。そして雨も小降りになった。
「はい、出来たよー!」
ご飯が炊けてからグリルに鮭を入れるだけなのですぐに出来た。
「ありがとうさくらちゃん。助かったわ!」
「いえいえ、これからも作るよ。」
「うーん…1人で火を使わせるのは怖いからね。あかりか私がいる時だけでいいわよ。」
「はーい分かった!」
「じゃあ食べようか。お父さんは今日遅いから先に食べましょう。」
「「はーい!」」
ご飯を食べている間も雨は降り続いていたけど、もうすぐ止みそうだった。
こうして今日も一日が終わった。
夕立っていきなり降り出しますよね。
いきなり暗くなって雷が鳴り出して。
怖いですよね。また来年もくるのかー
まぁ風物詩ですけどね。
それではここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに!




