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第百五十九話 夢

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

私が眠りに落ちたのは布団に入って目を閉じた瞬間だった。そして私は白い世界に居た。


「ここは…?夢?」

1人でつぶやいていると、どこからか馬がかけて来る音がした。

目を凝らしてよく見るとそこにはきゅうり馬に跨る男女が居た。

1人は黒髪の男性で肌は少し焼けていて高身長だった。もう1人は金髪の女性肌は透き通るほどの白さでこちらも高身長だった。

(ん…この2人何処かで見たような…?)

私が考えていると2人はきゅうり馬から降りてこちらに歩いてくる。


「初めまして、雪乃さくらの父です。」

「母です。」

「えっ…?ええーーーーーー⁉︎」

「まぁ驚きますよね。」

「でもね、本当なのよ。」

申し訳無さそうにする2人に私は一旦落ち着いて対応する。


「えーと、という事は2人はさくらのご両親なんですね?」

「はい、さくらがいつもお世話になっております。」

「こちらこそ、さくらにはよく助けて貰ってます。」

とりあえず軽く挨拶をした私たちである。


「それで、どうして私を呼んだのですか?」

「いやいや、呼んでくれたのは君たちの方だよ。」

「えっ?」

「あら?自覚なしなのね。」

「ええ…」

「この子達を作ってくれたじゃない。」

「…あっ!そういうことですか!」

「そぉ、貴女とさくらがきゅうり馬とナス牛を作ってくれたおかげで私たちは来る事が出来たのよ。ありがとうね。」

「本来はあかりさんの親族が乗るんだけど、あの方達は別の馬があるからと譲ってくれたのさ。ありがたい事だよ。」


父親の方はにかーっと笑って話してくれた。なるほど、こちらもさくらの面影がある。確かにこの2人はさくらの両親だ。

「それで、私に何かお話しでも?」

「ええ、いつもさくらを助けて貰っているからね、そのお礼にと。」

「お礼だなんて、そんな…」

「勿論言葉でしか出来ません。でも言わなければ伝わらないのです。」

「それに、さくらの好きな人を見にも来たかったしな。」

「恋人なんでしょ?どこまでやったの?」

「ど、どこまでって⁉︎」

「キスはしたんでしょ?それとももうやっちゃった?」

「わ、わわわ!」

私は気が動転して言葉が出てこなかった。


「母さん、まださくらは小学生だよ、手を出したらあかりさんが犯罪者になっちゃうよ。」

「あら?それもそうね。ごめんなさいね、あかりさん。」

少しニヤニヤしながら謝るさくらの母さん。これはうちの母さんより強敵かもしれない…

そう思うあかりであった。


それから私はさくらのこれまでの事をご両親に話した。

2人とも黙って聞いていてくれた。そして全てを話終わると…

「よし、じゃあまずはさくらを傷つけた奴らの所に回るか…」

「ええ、殺さない程度の地獄を味あわせてあげなきゃね…」

幽霊なのに殺気が見えた。これは今刑務所にいるさくらの元親は悲惨な目に遭うだろうな。同情はしないし、もっとやれと煽るだろうけど。


「あかりさん、さくらを救ってくれてありがとう。」

「私からもお礼を言うわ。これからもさくらの事よろしくお願いします。」

「あの…さくらには会って行かないんですか?」

「また帰りに寄るわ。送り火までまだ時間がある事だし。」

「ああ、その前にやる事やらないとな…」

さくらの親父さんの目はもう既に据わっていた…

「あはは…」

「さぁ、もうすぐ朝が来ます。さくらには内緒にしてて下さいね。サプライズで夢に出たいので。」

(あー…やっぱりさくらの親だな。)

「分かりました。では、また来年にでも。」

「ええ、また作って下さいねー」

「ありがとうあかりさん。」

最後にさくらの親父さんの声を聞きながら私は目を覚ました。隣ではさくらがまだ眠っていた。


「さくら、あなたの両親は素晴らしい方だね…」

さくらの頭を撫でながら私は呟く様に言った。

そうして私は二度寝するのであった。

きゅうり馬ナス牛はこのために書きました。やっぱり一度はあかりと会っていてほしかったのでね!


それではここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!

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