第十三話 親友の想い
今回は1日を前半後半に分けたので短いです。
読みやすくなっていれば幸いです。
それでは本編をお楽しみください!
「あははは!」
「もう!笑い事じゃないよー!」
水曜日、今日は天気が良いので昼休みは屋上でお弁当を食べている。そしてある程度食べ終えてから私は昨日病院で起こった事をくみに話してた。
「いやーでも、裸エプロンなんて単語が出てくるとはねーあかりがさくらちゃんに食われる日も近いかもね!」
ひとしきり笑ったくみは何やら不穏な事を言っている……勘弁してくれ。
「いやいや、小学生に食われるってそれはもう終わりというか、犯罪に近いからね!」
私はガッツリ否定したが、少々不安ではある……
「全く妬けちゃうなーあかりがもしこのまま彼氏作らなかったら私が貰おうと思ってたのに!」
「ふぇい⁉︎」
私は驚いて変な声が出た。
(お弁当食べ終えてて良かった…蒸せずに済んだ。)
「やっぱり気づいてなかったかー……」
何処か寂しそうな顔のくみが唐突な話をする。
「あかりはね昔、私を救ってくれた王子様だったんだよー」
私は混乱していた。私が?くみを?いつ?
「ごめん、全く覚えてない…」
「あはは!やっぱりそうか!そうだよね!小学生の後半から中学入ってすぐの頃まで私はいじめられてたんだよ。」
笑ってはいるけど寂しそうな顔をするくみに対して、私はもしかしてと思う。
「もしかして、トイレでカツアゲされてた?」
ニコニコしながら頷くくみ。
「そうだよ!やっと思い出したのかー……あの時はまだ同じクラスじゃなかったから仕方ないかー、全員を拳で黙らせて、それでも突っかかってくる人は背負い投げ。カッコ良かったよ!」
私はというと、あーあの時の子がくみだったのかーと思いつつも、あまりにも印象がなさすぎた事の方がびっくりしている。
「しかも、あの時のあかりはお礼を言おうとした私に「さっさと帰れ!」とか言ってくるし、怖くて本当に走って帰ったよー」
ニヤニヤ笑いながら言ってくる。
「ご、ごめんなさい!」
「ううん、こちらこそあの時はありがとう!ようやく言えた!ずっと言おうと思ってたのに言うタイミングがなさすぎるし、あかりはとりつく島もないしで大変だったなー」
くみはスッキリした表情をしている。よほど言いたかったのだろう。
「私はあの時あかりに助けられた。私をいじめから救ってくれた。それがどれだけ嬉しかったか、みんな見てみぬふりの中、あかりだけが私を救ってくれた!私はこれからも貴女の友達でいるよ!本当はあかりのお嫁さんになりたかったけどね…」
半泣きになりながらも言葉を続ける
「さくらちゃんを泣かせたら許さないからね!」
「もちろん!さくらには笑っててほしいからね!」
少しだけくみに肩を貸したほんの少しの間だけ、屋上には今私達だけだ、優しい風が通り過ぎていく。
「そろそろ戻ろうか?」
私はくみに言った。するとくみは顔を上げて笑ってみせた。
「そうだね、誰かが来ても面倒だもんね」
私達は午後の授業を受けに教室に戻る。
(さぁ、もう少し頑張ればさくらに会えるし頑張ろう!)
そんな事を思って私は気合いを入れるのであった。
という事で、あかりとくみの過去話でした。
あかりというキャラは優しいけどしっかり者で、絶対に弱い者いじめとかする奴は許さないって感じです。そして過去なので少々言葉使いも荒くしてます。くみはまだまだこれからもあかりとさくらに絡んでいきますのでこちらもお楽しみに!
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回もお楽しみに!




