第百二十五話 夏休みの目標
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
7月になりました。もうすぐ夏休みです。海にも行きたいし、山にも行きたい!そうさくらにせがまれてる私こと、高木あかりです。
「ねぇーくみ!海が近いって言ってたよねー夏休みになったら遊びに行っていい?」
「たぶん、二つ返事でOKが出ると思うよ。何日にするの?」
「そこはさくらと合わせるから追って連絡する。問題は…」
「ん?あーそっか!あかりカナヅチだったね!」
電話向こうでケラケラ笑ってるくみに少しイラッとする。
「まぁ、泳ぐ事はないから大丈夫よ、浅瀬で遊ぶくらいにしておけばあかりのメンツも守られるでしょ?」
「…助かります。」
「まぁ、任せてよ、それよりさくらちゃんは泳げるのかな?」
「分からない。まだ聞いてないの、」
「泳ぐ練習したいって言われたらあかりは詰みそうね…」
「だから、説得よろしく!」
「えー!まさかの丸投げですか?」
「私では無理なのです!お願いします!神様、仏様、くみ様!」
「もぉー無茶振りを…とりあえずやってみるわ、それでさくらちゃんは?」
「お風呂に入ってる。だから今のうちに打ち合わせしてるのよ!」
「なるほどねーでも、さくらちゃんの方が上手だから説得は期待しないでよ。」
「そんなー…」
こうして、くみとの電話を切るとさくらが戻ってきた。
「お姉ちゃんお風呂いいよー!」
「分かった。今から入る」
私が寝巻きなどを持って部屋を出ようとした時さくらが急に話しかけてきた。
「お姉ちゃん。私、お姉ちゃんが泳げなくても幻滅しないよ。」
肩がビクッとなった。
「な、なんのことかなー…?」
「お姉ちゃんカナヅチなんでしょ?さっきお義母さんから聞いたよ。」
「なっ!」
「私はお姉ちゃん達と海で遊べればそれでいいから海に連れてって!」
「…はぁー…やっぱりさくらには敵わないなーいいよ!もともと今くみに電話して予定を合わせてたから。」
「えっ?ほんと!やったー!」
「たぶん、8月になると思うから予定空けておいてね、あと、行く場所はくみのお母さんの実家だから粗相のない様に。」
「はーい!」
さくらは嬉しくて小躍りしていた。よっぽど嬉しいのだろう。私はさくらを落ち着かせてからお風呂に入る。
「母さん!私がカナヅチなのさくらに言わないでって言ったよね!」
私はリビングに居た母さんに文句を言う。
「あかり…あれは逃げてた方がカッコ悪いよ。言い訳に言い訳を重ねてて見っともないよ。」
「うぐっ」
「それに、さくらちゃん気づいてたよ。」
「えっ⁉︎」
「そりゃあんな風に露骨に嫌がってたら分かるわよ。」
「遅かれ早かれバレるのなら傷口は浅い方がいいわよ。」
「ぐぬぬ…」
「分かったら早く予定立てちゃいなさい。部活もあるんでしょ?」
「はーい。」
納得はしてるものの、自分から言えなかったという罪悪感に苛まれる私であった。
部屋へ戻るとさくらは勉強していた。
「さくら何の勉強してるの?」
「勉強じゃないよ、夏休みの自由研究の題材探してたの。」
「さくらにとってそれは遊びなのね。それで何にするの?朝顔の観察?昆虫採取?」
「星の動きの観測。夏の大三角形を夜の7時から11時まで観測して1ヶ月でどのくらい動くかみるの!」
「なんか、長い作業ね…」
「お星様見るのが好きだから、私にはピッタリなの!」
「そっか!じゃあ頑張ってね!」
私はさくらの頭を撫でてあげて、寝る準備をする。
「さくらももう寝なよ、明日も学校なんだから。」
「はーい。」
こうして私は先に眠りにつくのであった。
明け方近くに目を覚ますとさくらが机に突っ伏して寝ていた。私は起こそうと思ったが、ぐっすり眠っていたので、さくらを抱えてベッドへと寝せた。
「まったく…」
呆れながら机の上の電気を消そうとした時、さくらのノートが目に入った。
『今年の夏休みの目標!思いっきり楽む事!』
その下には夏休みの計画がびっしり書いてあった。
私は電気を消して、寝ているさくらの頭を撫でてあげる。
「大丈夫!楽しくなるよ!楽しみに待ってなさい。」
そう言うと私ももう一度眠るのであった。
昨日は短編小説を投稿しました。
たぶんダブルで連載すると思います。そうなった場合こちらは隔日で更新で行くのでご安心下さい。
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