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第百十八話 電話

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「つ、疲れた…」

ようやく松本先輩からの尋問を終えて私は帰宅した。恋する乙女は怖い…今日学習しました。


「ただいまー」

「おかえりなさい!お姉ちゃん!」

「さくらー!」

私は思いっきりさくらに抱きついた。少しさくらがよろけそうになったのでしっかり後ろ手で支える。

「わっとと、お姉ちゃんなんかあったの?」

「うん、私と練習してた子のお相手が激おこだったのーだから尋問されてたの…」

「ふーん…その子とはどういう関係なのお姉ちゃん!事と次第によっては私も尋問しないとだから!」

「さくら…目が怖いよ…ただの友達!くみも知ってるからさくらも何度か会ってるよ!」

「そっか!じゃあいいね!くみお姉ちゃんからしっかり監視する様に言われてるから!」

(おのれくみめ…)

私は今日の電話でくみに文句を言う事を決めた。


「あはは!」

「笑い事じゃないよ!くみのせいなんだからね!」

「いやー、でも先輩も心配症だね、あかりがそこまで節操が無いわけないのにね。」

「誰のせいよ!」

「あかりでしょ!」

「なんでよ!私は悪くないよ!」

「だっていろんな子をたらしこめてるんだから、しかも無自覚…タチが悪いよ!」

「だーかーらー!私はそんな事してないってばー!」

そんな会話をしつつ、くみの近況を聞く。

「くみは新しい学校には慣れた?」

「うーん…なかなか友達は出来ないかなー話してるのは近くの人くらいだし、」

「生徒数は少ないのよね?」

「うん、1クラス10人前後だからね、だからなかなかグループに入り辛いんだよね…」

「そっちは男女混合なんだよね、大変そう。」

「うーん。そこまで大変ではないかな?ただバレー部がないからつまらないんだよねー」

「へぇー、じゃあ部活には入ってないの?」

「うん、まだ入ってないよ。」

「まだ、という事は入りたい部活はあるんだー」

「ええ、まぁー…」

「歯切れが悪いわね、しっかり言いなさい!」

「ビーチバレーよ」

「良いじゃん!やりなよ!なに迷ってるの?」

「だって…私、まだ下手くそじゃん。今まではコートに6人だったけどこれからは2人だよー足を引っ張らない方が難しいじゃん…」

「はぁ…くみ…なに言ってるの?」

「えっ?」

「下手だから練習するんでしょ?それに味方が2人でも6人でも助け合うのは同じなんだから、やりたいならやりなさいよ!」

「…ふふふ。あかりらしいね!わかったわ、やってみるよ!」

くみは何か吹っ切れた様に明るい声で返事を返してきた。すると部屋の扉が開いた。

「お姉ちゃん、お風呂空いたよー!あっ!くみお姉ちゃんと電話してるの?」

さくらがお風呂から上がってきた様だ。

「うん、くみ、さくらが来たから変わるよー」

「了解!」

私は携帯をさくらに渡そうとしたが、その前にくみに言っておかなければならない事があった。

「くみ、あんまりさくらに変なこと吹き込まないでよ!」

「ふふふ…分かったわよー」

「含みがあるなーとにかく変わるよ。」

私はさくらに携帯を渡してお風呂へ入った。


お風呂から上がってきて、部屋に戻るとさくらはまだくみと話していた。もうすぐ23時が近いのでそろそろ終わる様に促す。

「さくら、もう遅いからそろそろ切らなさい。」

「はーい。あっ、お姉ちゃん!くみお姉ちゃんが変わって欲しいって!」

「うん、分かった!」

再び私が電話を変わる。

「あー、もしもし!さくらの相手ありがとね!」

「いえいえ、さくらちゃんまた賢くなったねー勉強教えて貰えてこっちも助かったよー」

「うん、もう私を完全に上回ってしまったよ。それで変わってって呼んだ理由は?」

「えっ?特にないよ?あかりにも挨拶して終わりたかっただけ。」

「なにそれー。」

笑いながらその解答に答える。

「あかりは相変わらずね、じゃあおやすみなさい!」

「おやすみー」

私は電話を切ると、さくらがこちらをジト目で見てきた。

「な、なによ、さくら!」

「やれやれ、お姉ちゃんはまだ乙女心が分かってないねー」

「なっ!」

「じゃあおやすみなさいお姉ちゃん。」

「ちょっと!どういう事か説明しなさいよー!」

私はさくらから聞き出そうとしたけど答えてくれる事はなかった。

毎日暑いですね、熱中症にコロナ、気をつけて下さい!


それではここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!

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