第百八話 頑張った結果
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
公園に二人の姿が見えた。
れんちゃんとさゆりちゃんだ。
「あっ、二人とも遠くからありがとー」
「そこまで遠くないよー」
「うん、自転車だと10分もかからないし」
とりあえず、自転車を降りてれんちゃんが私の高さにサドルを下げてくれた。
「それじゃあ始めようか、ママチャリ用の補助輪が無かったかられんが後ろを押さえておくから安心して、私よりは全然力があるからね、安心できるよ、私は横に倒れない様に横でサポートするからね、それと、これ付けて!」
さゆりちゃんから渡されたのはプロテクターとサポーターだった。
「肘と膝に付けて、あとヘルメットね!これで万が一転けても大丈夫。なるべく右に倒れてね、そうすれば私が支えるから。」
「本当に何から何までありがとーさゆりちゃん!」
「さゆりってさー私以上にさくらに過保護かもね!」
「れんは無頓着過ぎ!初めて乗る人に何もさせないとか危険すぎでしょ!」
「まぁ…確かに…」
「さてと、じゃあ始めようか!」
「よろしくお願いします!」
私は二人に頭を下げて挨拶した。
「うぐぐ〜…」
「大丈夫よ、力をもう少し抜いて……そうそうそうすれば余計な振動をさせずにハンドル持てるから。」
私の横にさゆりちゃんが居てハンドルを握っててくれた。その後ろをれんちゃんが支えてくれている。とても安定していて、乗りやすい。そうして公園を一周回った所で一旦止まる。
「よし、お疲れ様。一旦休憩しようか、えりちゃんも来てくれたしさ、」
私がベンチの方を見るとえりちゃんが座って、手を振っていた。
私は自転車のスタンドを立てて、鍵をかけた。二人がそれを確認してから三人でえりちゃんの所へ向かった。
「はい、これ!差し入れだよー」
えりちゃんが持ってきたのは紙パックのジュースだった。喉が渇いていたので嬉しい差し入れだ。そして、飲みながら次の目標をさゆりちゃんが話してくれた。
「次はれんだけの支えでやってみようか、さっきも言ったけど力を入れすぎない様にね!」
「うん、分かった!」
「れんも怪我しない様にね!練習見てたのに見てた人が怪我したら笑えないよ。」
「はいよー分かってるって!」
「えりちゃんは救急箱持って来てるね、流石!万が一の時は応急処置頼むね」
(凄く指示がしっかりしてるなー本当に私と同じ年なのかなー?)
私はジュースを飲みながらそんな事を考えてた。
「じゃあ行くよ!」
掛け声と同時に私はペダルを漕ぎだした。
「ぐぐぐ〜…」
「うん、いいよーその調子!」
昨日より明らかに乗れている。その実感が堪らなく嬉しかった。
「さくら自転車に乗れるってどう?」
「うん!楽しい!……ん?あれ?なんで隣にれんちゃんがいるの?」
「もう大丈夫ってサインが出たから!」
「じゃあ私…」
「うん、乗れてるよ!一人で!」
「や…やったー!」
「あーさくら、そろそろハンドル切らないと壁にぶつかるよー」
「えっ?」ゴンッ!
スピードが出てなかったとはいえ多少は痛い…身体が少しだけ前に飛び出して手は少し痺れた。
「さくらちゃん大丈夫⁉︎」
「うん!大丈夫…少し手が痺れたけど。」
「こら、れん!危ないと思ったらブレーキかけなさいよ!危ないでしょ!」
「いやー大丈夫だと思ったんだけどね、曲がり切れなかったね…ごめんさくら。」
「ううん、私がよそ見してたのが悪いからね!それより乗れる様になったんだよ!こっちを喜ぼうよ!」
「それもそうだね!おめでとうさくら!」
「そうね!おめでとうさくらちゃん!」
「さくらちゃん…おめでとう!」
3人からそれぞれお祝いの言葉を貰った。私は果報者です。こんな友達を得られたのだから。
「あっ、そうそう、土曜日さゆり暇?さくらの家で遊ぶ予定なんだけど?」
「土曜日かー…明日返事するね、流石に予定あってドタキャンはしたくないしさ!」
「うん、私はいいよ金曜日までに言ってくれたらね!」
「れんらしいね!さくらちゃんとえりちゃんも良いかな?」
「うん!大丈夫だよー」
「私も大丈夫!」
という事で土曜日は4人になりそうです。
努力は裏切りません。例え結果として出なくても、絶対に他の場所で役に立ちます。だけど無理にやれなんてのも言いません。好きな事を精一杯頑張って下さい!
それではここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!




